2018年5月22日火曜日

ハーディングフェーレのセミナー@福岡

5月10日、20年ぶりに福岡を訪れました。
当時住んでいたのは春日市でした。住宅街ではあったけれど、田舎で学校に行くのも冒険するように何通りも道があって、1年生の入学式だったか、帰り道が分からず集団下校をするも途中の分かれ道でどちらに行けば良いか分からず、泣いて帰ったのは今もよく覚えています笑 でも自然が豊かで、穏やかで…その時の風景とか雰囲気とか思い出すと、今も自分がとても好きな環境だったなぁと思うと小さいころのそうした環境が基盤になっているのかもと思います。

さて、話を戻して、今回福岡に訪れたのはノルウェー大使館の方から頂いたお話がきっかけでした。福岡のノルウェー友好協会の総会内でセミナーを行ってほしい…とのことでした。僕について、その友好協会に話したところ「そういう人を探していたんです!」とのことだったらしいです。その話を今回運営してくださった方とお会いした時にお話ししたら、「研修など短期の滞在ではなく、しっかり現地に住んでいた方の経験やお話を友好協会の会員の皆様にお話ししてほしい」とのことでした。
もちろんノルウェーに住んでいた日本人の方はたくさんいらっしゃると思います。
のほほんと2年間過ごしていたようで、でもしっかり写真や経験を振り返ると、僕にしかできないノルウェー生活をお話できると思いました。
ハーディングフェーレを通じて見てきたノルウェーの事。
今回はそれを軸にお話しさせていただきました。

福岡、天神にある西鉄グランドホテルが会場でしたので、広い会場で聞いた話では今回80人ほどの方々が集まったそうです。僕自身今までのイベントとは違う雰囲気に少々戸惑いもあり、いつもはお話ししながらお客さんの反応をはっきり感じることができたため、それに応じて進めてきたのですが、今回は距離があって「あれ?反応がわからない^^;皆さん楽しんでもらえて…る?笑」と感じていて、いつも以上に緊張しておりました笑 合間の演奏は反応が良くて、安心しました~


今回最後の最後まで迷ったのが、選曲と曲数でした。当初は3曲はやりたいな~と思っていたのですが、結局時間の都合上2曲に…それでも両方テレマルクの伝統曲を弾けたのでよかったですね。ノルウェーの日常のお話をする上で、最近欠かせないウェディングマーチのBruremarsj fra Seljordは外せなかったので、OP曲は直前まで悩みぬいて、今まで公の場で弾いたことなかったFossegrimen,Gangarにしました!緊張してると結構メロディー順が飛んでしまうことがあるからいつも避けてきたけれど、今回は思い切って弾いてみましたが、問題なく弾けました♪
終演後の懇親会では皆さんの質問攻めにあい、結局ご飯もほぼ食べれずでしたが、それよりたくさんの方々とお話出来て嬉しかったです。講演についてもうれしい言葉だらけで、安心しました。ただ、あっという間に懇親会が終わってしまい、話足りず、ホテルの部屋に戻っても、あぁ~もっとお話ししたかったなぁと感じつつも、心地よい疲れでしばらく休んでました。そういえば、中には僕が住んでいた隣町Skien(シーエン)に住んでいた方もいらっしゃってびっくり!娘さんがパティシエでオスロで修業していた、とか色んな方がいらっしゃるな~と楽しかったです。
その後、ご飯食べに福岡の夜の街に繰り出しました。

今回感じたことは、ノルウェーが好きであってもハーディングフェーレや伝統音楽を知っている人はまだまだ少ないということ。初めてみました、聞きましたという声が多数でした。だからこそ、たくさんの皆さんに知っていただけて良かったなと、もっとこの国の事を知っていただけるきっかけを作れてうれしかったです。

後日、お手紙や、メッセージ、「ファンになりました!」などという声まで^^;
その声を励みにまだまだ頑張らねばですね。
スタッフの皆様、ご参加くださった皆様、ノルウェー大使館様、誠にありがとうございました!!


2018年5月14日月曜日

Rosing for 5th Hardingfele

改めてRosingとは、ハーディングフェーレのボディーやヘッド部分に描かれている模様の事で、Rose=花、から来ている言葉で、それがそのまま描く工程の名前となっております。
僕の今のロージングのやり方は、事前に紙に描いて案を考えて、本体に描く際も下書きを…という形。ノルウェー現地でこんな手間かけてやっている人多分いないと思う(笑)
でも綺麗に描くには僕にとってはこれは必要なことです。
ハーディングフェーレの見た目の派手さから、パッと見ただけでは、すごい綺麗!と思いますが、でもやはりしっかり見ると色々と、見えてくるものです(笑)
もちろんロージングもです。前にも書いたかもですが、1本目の苦労はもうここでは語りませんが、その時の努力と必死に描き続けた結果、僕の尊敬する製作の先生であるOttarからも「今ノルウェーでここまで綺麗描く人いないよ!」ととある日のドライブデート中(笑)に言われたのは今でも心底嬉しくて印象に残っています。確かあれは3本目の時だったかな…。Ottarのロージングは本当に美しくて、個性があって一目みただけで、彼の作品だとわかるほど素晴らしい腕を思っている方です。
3本目を描くころ、かなり彼のスタイルを無意識ながら辿っていっていたのは、作品見るとよくわかります。
そして、ここまでを描けるようになった時、自身の中で一つの「区切り」を感じました。
これ以上はこのまま進めないと思って、今回は少し原点に戻る感じで描きました。

一つ一つの花、葉をしっかり描く。複雑に入り組んだ模様ではなくわかりやすく、でも美しく。葉っぱを折ってみたり、影をつけてみたり、新しいデザイン…新たな試みと、最初のころの自分の成長を。
そんな想いを込めて描きました。


ちなみに原案はこんな感じ。
結局本番描いていると、ここはこっちの方がいいな。これいらないな~と結構変わっていくものです。

作品を見て頂いた方から、「表は美しさ、裏は優しさで、女性の様」とコメント頂いて、なるほど~と聞いておりました。
皆さんはこの絵から何を感じるでしょうか?
あごの部分に描いている最中。


2018年5月2日水曜日

ノルウェーへ。工房お休みのお知らせ

6月13日~9月15日まで、ノルウェーに滞在する関係で、工房は一時お休みとなります。それまでに、修理等ご希望の場合は、早めにご連絡頂きます様よろしくお願いします。また修理内容、引き受け時期など状況によっては対応出来ない場合もありますので、ご了承くださいませ。​何卒よろしくお願い申し上げます。 原圭佑