先月の下旬、都内某小学校に行ってきました。
目的は、その小学校の1、2、6年生を対象とした音楽の授業で講師として…
きっかけは、同じくノルウェーに在住していたピアニストの安保美希さんのご紹介でした。安保さんにつきましては、HPをご覧ください。
https://www.mikiambo.com/
その音楽室にあったハーディングフェーレのイラストが描かれたカレンダーが飾られてある事から、今回の授業を一緒に!と提案してくださいました。
自身の仕事やノルウェーの事、楽器の事をお話する授業。
とはいえ、今まで行ってきたハーディングフェーレのイベントとは多少異なるシチュエーション。こういったご依頼は初めてでしたので、一体何をお話すればいいのやら、しかも対象年齢も最年少で1年生、時間も45分の中で、安保さんと時間を割り振ってのお話なので、正味20分しか個人の持ち時間がないので、どう説明、またこの年代の子供たちは何に興味持って、楽しく聞いてもらえるのだろう?と考えました。きっと普段通りの淡々としたお話では、特に低学年は退屈してしまうと思ったので、色々配慮して構成しました。
6年生には進路のお話をということで、自身の小学生時のお話やこの道に至った経緯などを話を。
同じ音楽の世界にいながら、まったく違う仕事をする我々、またその歩んできた背景も異なります。
安保さんは幼少期からピアノを弾き続けて、それが現在も続いている。
方や僕は、子供の頃は職人の道を決めた高校まではただぼぉ~と生きてきた取柄もない人間で、その環境から楽器作りに進んだので、それぞれの異なった道のりで辿り着いた「今」を聞くことは、彼らにとっても興味ある話ではないかと思いました。
また演奏では新しい試みもありました。
安保さんのご提案で、ノルウェー伝統音楽をピアノアレンジした作曲家グリーグの曲とそのハーディングフェーレの原曲の弾き比べをしました。
先にハーディングフェーレで弾いて、そのあとピアノで同じ曲を弾く。結構違いがあるので、この比較は面白いと思いました。今回はHaugelått,Hallingという曲をやりました。
さて実際の授業の様子は
出前…(反射的に一丁的なラーメン的な何かが頭をよぎる)
色々ネタは用意したものの、興味持ってもらえるのか不安でしたが…1,2年生のエネルギーが凄まじかったです自己紹介で「僕はこのバイオリンを作ってます」
子供たち「うおお、すげええ!」く、食いついた!笑
そこでちょっと問題を出してみた。
「バイオリンの他にこれに似た楽器をもう一つ作っています。ヒントはこの教室内にあります。」
子供たち「ギター!木琴!…」いや、バイオリンに似ているよ?^^;ってちょっと難しかったようでした。ハーディングフェーレを見せると、初めて見る楽器に、こちらも皆興味津々の様子でした。
そして実際に使っている道具や木材などを持っていき、実際に子供たちに体験してもらったりもしました。
カンナを使って一緒に削りました♪
実際にバイオリンとハーディングフェーレを間近で見せたり、弾いたりして、その違いを彼らに問いかけました。そうすると物凄いエネルギーの子供たち「はい!!はい!!!!!」と皆手を挙げてくれて、彼らなりに気づいた点をたくさん応えてくれました。この時、自身の同学年時を思い返し「自分って当時こんなに色んな事にはっきり意見言えたかなぁ?^^;」と驚きました。
安保さんのノルウェーのお話やその国と曲との関連性のお話、ピアノの曲もみんな目を閉じて静かに聞き入ってました。
最後は僕と安保さんで一緒にピアノとフィドルでノルウェーのワルツ曲を合奏。
授業の終わりに、子供たちから歌のプレゼントが!
これはグッときましたね。ありがとうの花という曲のでした。この純粋で元気溢れる声は今も心に残ってます。みんなありがとう~♪
そして、学校の先生方、安保さん、素敵な時間を与えてくださり本当にありがとうございました!
先日、安保さんが工房に来てくださって、1,2年生の198枚の感想文を受け取りました。
毎日1枚1枚丁寧に読んでました。
素敵な感想とイラストの数々。。。
たくさん感想書いてくれてて、もう胸がいっぱいで…しかもこんなことまで言ってくれた生徒さんも…こんな日が来るとは…
たった45分の出逢いでした。
人生の長い時間からするとほんのほんの僅かな時間。でもその一瞬で大きく何かが変わることも…
この一瞬が彼らにとって何か小さなきっかけになれたのなら、それはとても嬉しい事です。この道に進んでよかったと改めて思った大切な一日でした。