2020年5月25日月曜日

工房再開のお知らせ

緊急事態宣言も解除されましたね。
とはいえ、簡単に日常に戻ろう。とは中々なりません。
とはいえ(その2)コロナが100%ゼロになるというのも難しいと今は思うので、如何にコロナ感染が拡大し過ぎないように努めながら生活をする事が大事なのだと思います。

という事で、当工房は6月1日より再開にしました。
営業時間はまた決めてお知らせしようと思いますが、今まで通り10:00~20:00の不定休かなと。
県の要請があれば短縮など、それに従う形にしますので、確定しましたら、またお知らせ致します。
あと、いらっしゃる方は2名までとさせて頂き、入る際のアルコール消毒にご協力お願い致します。当面は様子見ながら営業していきたいと思いますので、宜しくお願い致します。
頑張りましょう。

製作は『今の所』は順調に進んではいるのですが…何せ海外に頼んでいる木材や装飾に使う素材が届かない...届かないと次の作品に進めないし、今の製作楽器も素材が足りない模様。。。その間に出来る事をしていこうと思います。

現在製作のハーディングフェーレはUVルームでぬくぬくと眠っております。


それでは6月1日以降、工房訪問ご希望の方はご連絡お待ちしております♪

表板厚み出し(動画)

久しぶりになりましたが、動画の公開です。
今回は表板の厚み出しです!
のみ、カンナ、スクレーパーを使い厚みを作っていきます。これはとても神経を使う作業で、楽器の音を作る上でとても重要な作業となります。重さ、柔らかさ、音、様々な面に神経を注いで作っていきます。Youtube及びホームページで公開中です♪
https://www.youtube.com/watch?v=XnsnTbP7Bl0

2020年5月23日土曜日

ハーディングフェーレのチューニングシート

ハーディングフェーレのチューニングは始めて間もない方々にとってはペグがどの弦でどの音なのかを覚えるのが大変なので、チューニングシートを作りました。
青色が弾く弦で黄色が共鳴弦。
弾く弦はヴァイオリンと同じ配置ですから、経験ある方には問題ないと思いますが、共鳴弦のペグの順番がちょっと違います。
ペグ番号は弾く弦同様、弦に対しては楽器正面向かって右から1~5の順番です。
ノルウェー伝統のハーディングフェーレ曲はたくさんの種類のチューニングが存在しているので、各シートにチューニング書いていただき、左の欄にそのチューニングの曲名などご自由にご使用下さい。

以前からチューニングの配置に関して「分からない!」と、お問合わせ頂いたことが何度かあり、また先日始められた方もいらっしゃったので、せっかくだから作っておこうと思い、こういうのパソコンで作るのは全くの素人ですが、頑張って作りました笑
頭は塗り絵やラクガキにご使用ください^^

無料で配布しておりますので、お気軽にfiddle@keisukehara.comまでご連絡下さいませ。
JPGもしくはPDFどちらかのデータをご指定頂けます!

2020年5月17日日曜日

1814年5月17日

今日はノルウェーのナショナルデイ、憲法記念日。
毎年この日はノルウェー全土でお祝いをする日ですね。
今年はその当時のハーディングフェーレ製作史に目を向けてみようと思います。
僕がよくモダンとかオールドとかハーディングフェーレのスタイルについてお話していると思いますが、1814年頃はまだまだオールドタイプが主流だったと思います。
ハーディングフェーレもTelemarkに既に渡っている時期で、Telemarkでは今でも名を残す一番最古の製作家Karl RueやGullbekk、そしてHelland一族最初のJohn Eriksen Hellandもこの当時活躍しておりました。1814年に一番近い楽器で僕が知っているのは、1815年のKarl Rueのこの作品ですかね↓
こうしてみると、この当時の作品は最古のハーディングフェーレとして知られるJaastadの1651年の作品と似た雰囲気を持っています。
これだけで見れば、18世紀に活躍したハルダンゲル地方のBotnen一族の作品の方が製作の質はまだ優れている気がしますね。
そしてここから徐々に製作の進化が始まっていくわけですね。
という事で、今回はその当時を思い出して、この楽器達でナショナルデイのお祝いを込めて写真を撮りました。
右は以前作ったオールドタイプ(Botnenスタイル)をコピーしたもの。左が今製作中の同タイプでオーダー品です。
改めてノルウェーという他国の伝統楽器を自国日本でハーディングフェーレ製作家として活動させて頂いてる事に誇りを感じ、敬意をもって、これから先この楽器を後世に伝えていこうと思います。
ノルウェーおめでとうございます!

2020年5月7日木曜日

グリーグのピアノ曲付き!

前回のスクレーパー作業の動画に、ハーディングフェーレ&ピアノのユニットSlåtterでお世話になっているピアニスト安保美希さんが動画の雰囲気に合わせて、グリーグの曲を弾いてくださいました。
何とも贅沢な20分になりました♪
気持ちが落ち着かない昨今、彼女のピアノに心を癒されます。
是非ご覧ください。
※諸事情により画質の方が若干落ちております。

お知らせ

昨日HPの方にも掲載させて頂きましたが、休業要請延長のため、引き続き工房訪問や直接接する業務に関しては休業させて頂きます。
お問合わせなどはお気軽にご連絡くださいませ。
早くすっきりとした気持ちで再開したいですが、今しばらくは我慢です...

2020年5月3日日曜日

製作動画(番外編)

ホームページで連載中の製作動画をご覧頂きありがとうございます!
楽しんで頂けているお声も頂けて、とても励みになります(涙)
製作動画をこうして撮って続けて載せるのは初めてなもので、あまり質は良くないかもしれません。動画内にBGMやコメントはあえて入れておりません。純粋に作業している時の自然な音を聞いてもらいたいのと、コメント入れるとそちらを読んでしまうので、今回はその形が良いかなと思っております。一応動画外に簡単な説明載せてますので、そちらをご覧ください。今後別の楽器製作動画ではまた違う形式(今回はないBGMやコメント入りなど)も出来たら面白いかなと思っています。

さて、そうして動画をいつも撮っていると、自然と長時間撮りっぱなしにしている事が多々あるのですが、ホームページでは大幅にカットしてしまうので、余る部分がほとんどで、もったいないと感じておりました。ですので、今回はスクレーパー作業の様子を色々切り取って、一本の動画にしてみました。こちらは作業用BGMや木を削る音でリラックスしてもらえたらと思い作成しました。そんなに作業の様子は見なくても良いです^^;
ホームページで載せるには長尺で大変なので、Youtubeの方に掲載しています。前からブログに動画載せたいと思っても、直接載せるのが大変で大体Youtubeに載せる方法が示されます。それもあって今回はYoutube掲載となりました!
個人的にはノルウェーで爆発的に有名な焚火の動画をひたすら何日も流すとか、猫の隠し撮りを何日も放送するとかのスローTV的な感覚で楽しんで頂けたら、幸いです。
ハーディングフェーレ&ヴァイオリン製作のスローTV。
編集ついでに自身でヘッドホンしながら動画流して、別作業してたのですが、何の違和感なく邪魔にならなかったです(笑)


2020年5月2日土曜日

北欧の民主主義

ノルウェーにいた頃、ヤフーニュースに僕の記事を書いて下さったノルウェー在住でジャーナリスト・鐙麻樹(あぶみ あさき)さんの新しい本が出版され、それが手元に届いたので、早速拝読させて頂きました。
「北欧の幸せな社会のつくり方~10代からの政治と選挙~」

政治と選挙かぁ...と聞くと、難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この本はとても分かり易く、読みやすいです。夢中になっていて、外が真っ暗になってもカーテンするの忘れていたくらい。書きたいこと多すぎてかなり減らしましたが、それでもこの量に…^^;

ノルウェーにいた頃から、それとなく見ていたノルウェーの選挙の様子。日本とは違い、選挙がお祭りの様に楽しそうで、国民と政治家との距離が近い印象がありました。でも詳しくは知りませんでした。
この本を読んでいて、同じ選挙や政治のはずなのに、日本とは根本的に分かり易さ(特に言葉の表現)、親しみ易さや雰囲気、政治家と国民の熱意、国民への寄り添う姿勢など...違いを感じました。ノルウェーに限らず北欧にまとめていえるとこちらを読んでいて思いました。
この本では、そんな北欧の政治や選挙の様子が多くの写真と共に紹介されています。途中フフっとなってしまう所も多くて、面白かったです。

 選挙中の様子
一方では2011年に起きたテロの事も上がっています。読んでいるだけで胸が締め付けられそうな気持ちになりますが、政治を語る上では切り離せない部分です。死刑にならないその理由も読んでいて、僕自身の心を動かす言葉になりました。でもやはり難しい…もし自分の近しい存在が同じ目に合ったらと思うと…
悲劇を繰り返さないための取り組みも見ることが出来ます。

小学生が政党を訪問する課外授業では、僕が同い年であったころには絶対できなかったであろう質問も出ていて、驚きました。また高校生による模擬選挙、各党の青年部代表が集まり、学生らと討論を行う場。選挙権はなくとも選挙を持った際には、なんの身構えもすることなく選挙に参加できる準備の場、近い世代の人同士の話しやすい場を設けるというのも良いですよね。

課外授業の様子
学校選挙。公開討論会。

ふと自分はどうだったかなぁ?思い返すと、中学の時だったか、男女平等をテーマにディベートをクラスでして、自分も何か発言していた気がします(笑)面白かった印象あるなぁ。
政治的な話をする中で不安視するのは、自分の意見と相手の意見が違うというだけで不仲になるような事。それは違うと思っていて、すると本に『「人格」と「考え」は別物。』また『「相手と意見が違っても、議論が終われば、それで終わり。その後、挨拶できなかったり、一緒に夕食の席を楽しめなかったら、残念でしょう?」』←それな!!ってすごく同感しました。こういう姿勢大事ですし、そうでないと中々気軽に話すのも難しいですよね。

グレタさんから始まった気候変動デモについても触れています。
ノルウェーで、とあるお母さんが「娘にとってグレタさんはヒーローみたいな存在」と聞きました。その娘さんはまだ確か7歳か8歳くらいだったと思いますが、その年齢の子もしっかり環境問題に目を向けているんですよね。もちろん日本の子供たちもそういう考えを持っている子もいると思います。色々難しい課題もあると思うけれど、これからこういう子供たちが未来を作っていくのかなと…
気候変動デモの様子

コロナ渦中で政治への関心度が上がっているであろう今。(主には政府に対する不満だと思いますが…)他国の様子を見て比較するのも良い機会かと思います。
教育関係や政治家の皆さん、まだ選挙権がないお子さんにも良いのではないのでしょうか?日本が北欧と同じ手法で行うことが合っているのかどうかは分りませんが、国民の政治への関心の手助け、投票率を上げるためにはこうしたアイデアを取り入れても良いのでは?と思います。何よりもやってみないと何も始まりませんし、改善も出来ない。日本は他国の文化を吸収する事には慣れているでしょうし、そんなに難しい事でもない気はします。
そして、民主主義ってこういう事なんじゃないかなぁ。とこの本を読んで思いました。
「日本を自分たちの手で作る」という意識が我々には、今、より必要なのでは?と、この本を通じて感じることが出来ました。
ここには書けなかった本の内容がまだまだあります。お写真もたくさんで読みごたえありました!ご興味ある方は是非。
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ha/1090.html

この本を通じて、北欧の国々の事を日本に伝えて下さった鐙麻樹さんに大きな感謝を。
※本誌内の写真掲載は許可を得ております。