2017年11月24日金曜日

キプロス共和国でハーディングフェーレ?

さて、ノルウェーを離れ現在私が訪れているのは、キプロス共和国です。多分、キプロスってどこ?ってなると思うのですが、トルコの下にある小さな地中海に囲まれた島です。


ここに、私がNewarkヴァイオリン製作学校卒業後、3か月研修でお世話になったヴァイオリン職人のStepan Soultanianさんがいます。
幼少期からイギリスで過ごし、彼もまたNewarkの卒業生です。私が生まれた年に彼は卒業してます(笑)
私が学生時お世話になった修理修復の尊敬する先生Paul Goslingさんと同級生。今も友人として仕事仲間としてお付き合いがあります。

私を学生レベルからプロレベルに上げて下さった本当に素晴らしい腕を持つ職人さんです。彼の修理修復、製作、特にアンティークスタイルの製作技術に関してはどれも本当に素晴らしく、今回も新作を拝見しましたが、毎度驚かされます。またディーラーとしても活躍し、ヴァイオリン族に関する知識と経験もトップクラスだと思います。

それゆえ当時の3か月研修は今思い出しても…本当に大変だったなと思います^^;
厳しい指摘の数々、毎日自身の腕のなさに落ち込んでました。でもこの厳しさが当時の学生レベルの私には必要な経験でした。おかげで後に日本で仕事を行うのにとても助かりました。

昔、この工房でやってた仕事ごく一部。

仕事に関してはとても厳しく、でも外ではとても優しく冗談好きで日本好き(日本でも昔働いてました)毎日大変ながらも良い日々を過ごしたのはかれこれ6年以上前...
その後は年に一度くらいキプロスを訪れる機会がありました。その都度新しい事学んできましたが、ここ4年ほどは伺えておりませんでした。
私が製作しているハーディングフェーレにも興味を持って下さっていて、「K!次いつその楽器持ってキプロス来てくれるの?」と時折ノルウェーにいた時にメール貰ってたけど、機会なく…日本帰る前に是非!と思って、今こうしてここに来てます。

彼や彼のご家族の再会はとても楽しいのだけど、娘さん(13)が私の背を越した事だけが悲しい…あんなに小さくて、英語もあまりで会話も難しくて、何か一緒に遊んでも負けず嫌いですぐ泣くし。そんな娘さんも今ではピアノもめっちゃ上手くなってるし、ダブルベースまで弾いてるし、英語も話せるし、なんかこうして普通に会話してるのも不思議なくらいです。

それで、せっかく伺うしまだまだ彼から学びたい事がたくさんなので、今回は弓の修理を重点的に学んでます。ノルウェーでも工房では弓は私が担当してましたが、彼のやり方や技術の向上を兼ねて色々教えてもらってます。
すっごく楽しいです。(昔は楽しむ余裕などほぼゼロw)
もちろんヴァイオリンに関しても色々教えて頂いてます。
後、自身の成長を感じたのは、彼の専門的な技術ややり方の話し聞いているだけで、頭でちゃんと想像できて理解がしっかり出来る事。昔だったら「へ~そういうものなんだ~」くらいで色んな事を理解するのは難しかったです。
なので、早くその方法でやってみたい事が既にたくさんでワクワクします!

昨日は彼の娘さんが通う音楽学校の生徒さん達にヴァイオリン、主にハーディングフェーレ製作について講義してきました!珍しい楽器+その専門家が今ここにいるという事で、その2つ日前に急遽上がった職人さんのアイデアで、本当はハーディングフェーレに興味ある先生に楽器を持って行くだけと思いきや、気付けば1クラス30人程+先生方を前にしっかり講義する形になりました。しかも30分くらいと聞いていたから、どこまで説明出来るのかも読めなかったし、学生さん達が本当にこの楽器に興味あるのか?途中で飽きないか?と不安もありましたが、心暖かく迎えて下さり、ハーディングフェーレにとても興味を持って下さいました!

英語でハーディングフェーレの説明するのも初めてでした。でもやはりギリシャ語の方が通じやすいので、職人さんに通訳サポートして頂きました。
話の途中、生徒さん達から質問が次々上がってきたため、結局1時間以上あっという間に経っていました。最後は皆さんからお礼にと、先生の伴奏でキプロスの歌を歌って下さり、花束も頂いてしまいました!
まさかの展開でしたが、楽しい一日でした。
それでは、引き続き修行してきます♪

あ、キプロスはこの時期意外と寒いです。もっと暖かいの期待してたのに…
寒い…
ステファン・ソルタニアンさんのHP↓
http://www.stepansoultanian.com/

2017年11月22日水曜日

感謝!

グッと!地球便をご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました!皆さんの目にはどのように映ったのかな?と人生で自分がここまで注目される事なんてないので、不思議に感じてます。
でも、少しでもハーディングフェーレやノルウェーの事が日本で広まってくれると嬉しいなと思います。番組の感想もありがとうございました!とても励みになります。
日本に帰ったら、あまり自分を客観的に見るのは苦手(写真とかも…)だけど、楽しみでもあります♪

先日、2年間のノルウェー生活を無事に終え、現在はノルウェーを離れて、久し振りに帰ってきた某国(次回のブログで明らかに)にて職人としての腕を更に磨いております!
日中、陽が出ていると20度越えの所におります。でも意外と夕方以降は結構寒くて、マイナス気温の雪国から比べたらもちろん全然快適だけど、もっと期待していたので、なんかそれ程得してる感はないです(笑)
2年間の感想はまた後日まとめさせて頂きます。
では頑張ってきます!

2017年11月11日土曜日

日本の地上波テレビ出演!

《テレビ出演のお知らせ)》
昔、ポケモンショックという事件があった20年前、その放送を見ていた原少年は翌朝、当時住んでいた大阪の家の前の公園に取材が来ていて、ランドセルを背負ったままそのインタビューに「あ~はい、なんか色がたくさんチカチカして変な感じでした~」と軽く答えたのが、その夕方地上波で放送された珍事(笑)以来のテレビ出演だと思います。
2か月ほど前(Granvinでのイベント辺り)ノルウェーでの生活の様子の密着取材を4日間受けました。
この様な経験は過去になく、とても緊張していて何話したかよく覚えてないです…でも、「上手く話せてなかった」とか「やってしまった…」と思った恥ずかしい所(特に私生活面)はいくつか…(笑)オフレコの時の方がしっかり語れた気がする。
取材を受けて以来、僕は全く編集後の様子は見ていないので、どんな感じになってるのかは、この15秒の予告しか知りません。放送日も日本にいないし、というかどの道放送地域ではないけれど、もしご覧になった方はどうぞこれをネタにいじってくれて構いません(笑)
最初は取材を受けるかかなり悩みましたが、ハーディングフェーレのため、日本やさらにノルウェーにとっても何か今後良い影響があると良いなと思って、勇気を出して受けました。
ご興味あれば是非ご覧ください!
放送日、最初19日と聞いていて、その後26日と聞いていたのですが、HP見たらやっぱ19日でした。
放送日:近畿地方、読売テレビ《11月19日(日)朝10:25》
その他各地域での放送はホームページでご確認下さい!

2017年11月5日日曜日

最後のKappleiken & Hardangerスペルマンスラグコンサート in Bø

11月3日金曜日
4日行われたBøKappleikenにハルダンゲルのスペルマンスラグやダンサー達が参加する関係で金曜日の夜Bø Hotelにてハルダンゲルの方々によるコンサートが行われました。
先日Granvinでお会いしたばかりでしたが、今回はこちらBøでお逢い出来てなんだか不思議な感じでした。
スペルマンスラグ、ソロ、歌とハーディングフェーレ、ハリングダンス、グループダンス、ボタンアコーディオン、ピアノ伴奏ありの軽快な音楽、普段テレマルク音楽では聴かない音楽がたくさん溢れていました。
写真家Knut Utlerさんのコンサートの様子の写真↓
https://www.facebook.com/knut.utler/posts/10155719272152674?pnref=story
ipodで撮ったから画質悪いですが、アンコール前の最後の曲。楽しいね。



翌日はBøKappleiken
今回の滞在で最後の演奏の出演となりました!最後がBøってのが良いね。去年は参加していなかったので、ただ一観客として見に行ってきました。
13時開始でBøスペルマンスラグがこの日のトップバッターで、あった言う間に演奏終わりました。
Landskappleikenの様に数日に分けて、時間帯でパフォーマンスのカテゴリー分けされているのとは違い、こういう地方のカップライクは一日で、(今回は)ハーディングフェーレ、ダンス(ハリング、グループ、デュオ)、アコーディオン、口琴、歌がランダムに一会場で行われるため、出演者数によりますが、大抵長いです。笑
13時から始まって、終わったの19時過ぎ。小休憩2回。いつも思うけど審査員の方々本当に大変だなって思う。

今回は演奏後、ずっと会場で演奏見てました。若い人たち特に10代の方たちの演奏がとても良かった。Setesdalの曲を得意としている若いハーディングフェーレ奏者が1人居たのですが、その時録音できる環境じゃなくてとても残念。 バックステージでも私の楽器を使ってたくさん弾いてくれました。選曲が自分好みと言うのもあったと思うけど、上手かった。ダンスも若さ溢れてたなぁ。ユーモアもあって。彼らもまた伝統を後世に引き継いでいくのだなぁと、安心してみていられます。

今回も動画撮影たくさん出来たので、また今後に役立てたいと思います。何より弓運びがここで情報得られるのが大きい。
しかし今回の出演者は本当に質が高かった方が多かったと思います。なので、予定していたよりも倍の容量撮影に費やしてました。本当はもっと色々撮りたかったけど容量キャパと電池切れで、その日最後の奏者Ottarまで何とかぎりぎり収まって良かったです^^;
Ottarの演奏2曲目のスプリンガル、「す、すっげぇ…」ってなってた。なんか普段より迫力が凄かった。この日唯一の鳴りやまない大拍手でした。

大会後も長い長い夜で4時帰り。色んな方とお話ししたり、たくさんの方に楽器弾いてもらったり、励ましのお言葉も頂きました。頑張らねば。
こちらもKnut Utlerさんの大会の様子の写真↓
https://www.facebook.com/pg/knututlerfoto/photos/?tab=album&album_id=1790919160949862
                              Photo;Knut Utler
 
                               Photo:Knut Utler
                              Photo : Knut Utler
この2年間現地で、大会もローカルな日常のリラックスしたパフォーマンス、色んな演奏見れた事、そして少しの間だったけれど、スペルマンスラグの一員としていくつか大会や結婚式などここでしか経験出来ない事が出来ました。私にとっての素晴らしい財産です。

2017年11月1日水曜日

製作近況

製作は新作の方はこちらのハーディングフェーレの製作史の中で古いタイプのデザインの指板とテールピースを2セット作って一旦ストップです。帰国も迫っている今の状況では他の製作に関する事に専念した方が良いと判断しました!
いやぁ、この指板、シンプルだけどこちらはこちらで作るのは、大変でして…
しかも2セット立て続けに作ってるとか、職人さんも「大変だね…」と若干哀れみの目(笑)
もう無心でひたすら黙々と作ってました。なぜ2セットも作ってるんだ自分は?とか考えちゃいけません。途中で心が折れます(笑)
それで、見て分かると思いますが大きさが違っていて、小さい方を後から作ったのですが、サイズが小さいから簡単か思いきや、四角い部分がバランスを考慮した上で前より小さく作らなくては行けなくて、数がこちらの方が多くなり、結局小さいタイプの方が大変でした。
後は新作様に2種類指板、テールピースのデザインを考えたりしてます。
デザイン考えるのは良いけれど、ここからテンプレート作るのが大変なんだわ。
頑張ります!

お寿司とかAnders Hallとかバザーとか近頃の日常。

とある週末、2週連続で週末寿司パーティーをしました。
一つは隣町の日本人とノルウェー人の友人達が私のためにわざわざ寿司パーティーを開いてくれました!
日本のビールのお寿司との相性のピッタリさに改めて驚いた…
2週目は職人さんのご自宅で!
この日はThe Nordic Fiddlers BlocやSverなどで活躍する私の大好きなヴィオラプレイヤーのAnders Hallさんが遊びに来てたので、私がこの日のシェフ(笑)となりみんなで一緒にお寿司作りました!
Andersと逢ったのは今回で3度目。憧れるカッコいい兄さんです!
 寿司、巻いてます
お寿司とは思えない雰囲気。
サーモンばっかりやったけど、巻き寿司は色々入れてみた。私はだし巻き卵を作り、これが一番好評でした♪丸いフライパンで作るの初めてだったけど、上手く行ったと思う♪ご飯作るのは難しかったけど、でも本当お寿司美味しかった~皆さん大満足してくれた様で、上手く行ってホッとしました。
翌日は私はAndersのヴィオラをメンテナンスしたり、新作の楽器も弾いてもらって褒めてもらった♪
「弾いてる所写真撮っていい?」って聞いたら「良いよ~!」
「・・・いや、ポーズとらんくて良いよ(笑)」
面白いし本当良い人♪
Ottarとのハーディングフェーレセッションもむちゃくちゃカッコ良くて素敵でした!スウェーデン来る時は遊びに来てねと言ってくれたので、今度は彼に会いにスウェーデン行きたいなぁ。

昨日は年に一度のBøで行われるバザーに行ってきた。町中のお店から商品を集めて、その品数は100以上。
参加方法は5つ連番で書かれた札を1札10kr(140円くらい?)で好きなだけ買って札を選び、一景品ずつランダムに数字がコールされて、自分の札の中にその番号があれば当選でその景品を獲得できる。一回あたり20品ほど。それで1度リセットで、また札を買いなおして行く感じです。札を買った分確率が上がるわけですね。去年も参加したけど、全く当たらず^^;結構当たらないですが、当たる人は当たる。またあの人かwって。


昨日もあまり期待せずに、と言うか時期的にもの増やす時期じゃないのですが、息抜きに行ってきました。
そしたら、当たった!!!その時ぼーっとしてて景品見てなくて、喜んでたら景品が近づくに連れ「お!お!?おぉぉ…」

子供用セーターでした(笑)会場大うけでした^^;
めっちゃ可愛いのですが、使い道がない…ここの子か誰かにあげようかなと思ったのですが、これはノルウェー土産に持って帰った方が良いよ!
という事で一応持って帰る事に。
マリウス?って呼ばれるタイプのセーターだそうです。デザインの名前かな?
こういうセーター一着欲しいのですが、こちらでも結構値段するんですよね…

日曜日に冬時間になりノルウェーと日本の時差は8時間になりました。
そのせいで17時ですっかり暗い。今週は氷点下の日もありそうですが、ここから見える山は既に雪が積もっています。数値以上に体感温度が寒くて、ここ最近体調崩してますが、何とか耐えてます。
日本の皆様も寒くなってきている様で、どうぞご自愛くださいませ。