2017年8月27日日曜日

大会から帰宅後の話(日常)

大会帰りの道中、なんだかグッタリで眠すぎました。友人に家まで送ってもらい、帰宅すると昨日届いた大量の暖炉用の薪を整理していた職人さんと会って、(今回職人さんは大会不参加)大会どうだった?とか、職人さんの方は長男4歳の友人の誕生会があって付き添いしてきた~、明日は上の娘さんの誕生会がある~とか談笑しつつ、ついでに薪の整理の手伝いをして夕飯に誘われたのでお家に入るなり、その長男君が「ケスキ~!(ケイスケとは呼ばないw)」と抱き付いてきた。いつも抱き付いてきてくれる。お子さん2人とじゃれ合いながら夕飯待って、今晩は一緒にポケモン(ノルウェー語吹替)を見ながら食事頂きました。
その後、ごちそうになったお礼に残りの薪の整理を1人でのんびりしてました。外、自然がとても気持ち良かったです。
この日常。何てことない日常、でもこういうのが自分にとってはとても愛おしくて大切で、心から居心地よくて心が安心して休まっていると感じます。
ここにいると自分は何がしたくて、何を望んでいて、好きな物や人とか色んな事に素直に気付かされます。素直に認めれば良いのに、時々それを認めたくなかったり、気付いて良かったり、悲しく感じたり。
違う環境に住んでいるだけで、自然と色んな事が分かって、また時折変わって行くのだなと、とても不思議に思います。
リットル換算で約3000リットル分の薪!これでノルウェーの長く寒い秋冬は足りるそうです。

Fylkeskappleiken in Porsgrunn

今日はPorsgrunnで行われたkappleik、Fylkeskappleikenで演奏してきました。
LandsKappleikenと比べると規模はとても小さいです。
ただ30~40年前のこちらのkappleikはLandskappleikenと同等の規模だったそうです。時代ですかね。当時と比べてしまうとどうしてもネガティブになるかもしれませんが、それでもノルウェーには伝統音楽をする人は今も数多く存在していると私は思います。
会場はその昔から変わらない場所Folketshusで行われました。素敵な会場でしたよ!
今年のLandskappleikの優勝者のペアダンスやハーディングフェーレAクラス2位の方のパフォーマンスも見る事が出来ました。控室で練習していた女性、熱心に練習していて、その場にいた人達も演奏に聴き入っていて、その上手さに弾き終わると拍手が起きてました。もちろん本番でも歓声上がる程!これでもBクラスみたいですが、その中でも優秀な方の様です。
今回初Porsgrunnでしたが、町中見て回る事なく帰宅。雰囲気は近くのSkienと似てました。
これで今年は大会出場はもうないかなぁと思います。
良い経験になりました!



2017年8月25日金曜日

機械の修理

今日は一日雨、肌寒く気温も10度~14度程度でした。
そんな今も強い雨音が外から聞こえてます。

今日は朝からここ数か月壊れたままのバンドソーの修理。
普通バンドソーのブレードは使い込んだら新しいのに交換しますが、新しいブレードは業者が間違えたのか長さが短く使えず…で、結局今まで使ってた古いのをヤスリで研いで使いました。多分普通研がないですよね^^; これで研げてるのかどうかもよく分からなかったですが、ちまちまやってました。

地味に大変で疲れました…
その後職人さんと修理に四苦八苦。彼がギブアップしたので、お昼から代わりに1人で機械をあちこちいじって原因を探り突き止め、何とか直せました!
ずっと問題だったうるさい騒音もこの際!と突き止めて、結果綺麗さっぱり騒音無くなり、ブレードの研ぎも多分効果あったと思う。イイ感じの切れ味。バンドソーとかのブレードって研げるんだなって思いました(笑)
結局今日はネックのアウトラインカットしか製作出来なかった…
夕方は用事で外出。
夜戻って、ハーディングフェーレの修理作業とヴァイオリンのメンテナンスもして、雨音聴きながらヴァイオリンをしばらく弾いてました。夜の静かな時間に工房でひっそりと作業するの結構好きです。
おやすみなさい

2017年8月24日木曜日

bass bar&ネック製作準備

Bass barを取り付け成形。
厚みだし同様ベースバーも細かく全体通して叩いて(擦ったりもします)、音を確認しながら形を作っていきます。
この作業はとても難しく、ほんの少し削るだけでも音が変わってしまう繊細な作業です。
こちらの作業も一段落したので、その後ネック製作の準備に取り掛かりました。
ネックブロックの準備と頭のデザインを写真見ながら、アウトラインのテンプレートを考えて行きました。共鳴弦の数について、色々職人さんと話し合い、今回共鳴弦は3本に決定しました。Tronda-feleは共鳴弦が2本~6本の間と様々に作られてました。
奏者が欲するハーディングフェーレの方向性によって共鳴弦の数は変わっていきます。

上手く行くと良いな…

2017年8月21日月曜日

4th Hardingfele製作近況

今回作っている4本目のハーディングフェーレは過去三作モダンのハーディングフェーレから遡り、1700年代に活躍していたハーディングフェーレ、そしてヴァイオリンも作っていたTrond Isaksen Botnenのスタイルを元に製作しています。
彼の楽器を通称Tronda-feleと言われたりもします。
彼のお父さんIsakも同様に製作者です。
こうした通称が付いているので、決まった型があると思われますが、実は彼の作品は色々試したのでしょうか?アウトライン、アーチの高さ、製作の質が結構バラバラで定まってません。さて、どれを元にすれば良いやら迷いました。
ただ特徴はあるので、いくつか見た中で、自分なりにまとめて形にしています。
なので、全くのコピーという訳ではなく、過去の作品から所々つまみつつ、またマネしなくていい所、例えばアーチが凸凹でいびつであったり(部分的には使用した木材の含水の問題と経年変化による原因)、そういう点はマネせず、アーチの特徴をとらえつつ綺麗に整えて製作しています。厚みも同様ですね。

さて、今ではなかなかお目に掛かれない彼の作品ですが、実はBøの博物館にも彼の作品があるのですが、職人さんからこれはおススメしない…と言われたので却下しました。まぁ確かにあまり制作意欲が沸く作品ではなかった。
以前VossにあるOle Bull Academyに伺った際に修理中のTronda-feleがあったので、それも参考にさせて頂きました。

作品から見て分かる通り、Rosingはほとんど描かれてませんが、rosingというか外枠だけ描かれてるのでもはやrosingとも呼ばれないかも…ただ他の作品を見ると今とスタイルの違う花が大きく描かれ、また色付きの派手なRosingもあります。
ヴァイオリン製作をしていたことから、ヘッドはヴァイオリン同様スクロールの物もありますが、動物もあり。テールピースや指板もだいぶ違いますね。
実はこのデザインには意味があるのですが、それはまた別で。去年日本で行ったイベントに参加して下さった方は覚えていれば、この時説明しました。……はず(笑)

昨日までの製作段階ですが、Bass Barを取り付け次回成形に取り掛かります。
今回は厚み、アーチに手こずりました^^;今までに経験ないタイプで結構戸惑いましたが、表裏板両方終えて、地道に進んでいます。
今回表板はVoss産のスプルース。
裏板にはSvartorとノルウェー語で言われる木材を使用しています。
英語ではblack alderと言うそうで、日本語でalderはカバノキ科ハンノキ属(wiki調べ)。
実はこのSvartor、ハーディングフェーレではとてもよく使われていた木材で過去の作品、素晴らしい音色奏でる楽器含め使用されておりました。今回職人さんから頂いたので、これに使わずいつ使う!?な勢いで使用させて頂きました。

一体どういう音、楽器になるか今からとても楽しみな作品です。


2017年8月12日土曜日

3rd Hardingfele完成と解説

3本目の弦を張ったのはテレマルクフェス出番の数日前。その時の様子
弾く前は本当にドキドキしますね。
楽器製作は弦張ったら、はい!完成!終わり!
とは行かず、そこから微調整をしていきます。
今日も調整をしておりました。より弾き易く、この楽器にあった調整を見つける事が大事です。
親ばかなのか何なのかわかりませんが、以前もそうでしたが、自身の作品は一度引き出すと、曲じゃなくても、とにかく弾いていたくなる感覚になります。もっと鳴らしたい、弾いて音の成長を願う気持ちもあるからだとは思いますが、不思議な気持ちで自分の楽器を弾いてます。
それでは、今回の作品はこちらです。







今回はボディーの型は前回と同じですが、アーチの高さを微妙に変えました。
ヘッドのアウトラインとデザインはRøstadとKleven+オリジナル。
ヘッド下の渦巻はHellandが元
ペグのデザインも過去2作とも基本同じですが、微妙に異なっています。どれが自分にとって良いか探ってます。
指板、テールピースは以前のブログに載せた通りHellandを基本+オリジナル
F字はHellandタイプ
Rosingは色々混じってますね。まんまコピーした部分もありますが、ほぼ自分で考えました。と言ってもこういうパターンはモダンではよく見られるタイプで、そこを元に自身で考えて構築しました。
Rosingは毎度こんな風に紙に描いて、アイデアを先に考えます。多分こんな手間掛かる事してる職人さんはあんまいないかもです。


毎度この作業は四苦八苦して考えてますが、描くのにも慣れてきたおかげでだいぶ考えるのも楽になりました。そして、この原案の紙を綺麗に残しておこうと試みてるのですが、いつも結局こんな風に落書きでいっぱいになってしまいます(笑)「あ、このデザインどうかな?」と紙に描いているうちにこうなっちゃうんですね。。。

後は装飾のマザーオブパールの形のパターンも今回も違います。平行四辺と三角の形を交互に。
ニスは前2作オイルニスから、今回はアルコールニス。
ざっくりと解説すれば、こんな感じでしょうか?
その他本当に細かな部分多々ありますが、専門的過ぎるので割愛させて頂きます♪

さて、現在製作中の4本目はハーディングフェーレの過去を知る製作として、進化する前の正に「Hardingfele」を元に作っています。
「正に」とはどういう事かと言いますと、モダンのハーディングフェーレが出た後、この楽器の名前に関して、実は過去に色々あったそうです。まぁ「今も」と言っても嘘ではないのかもしれませんが。
それはさて置き、木は表裏板もノルウェー産の物を使っています。木の種類も昔に沿ってある木を使用しています。その辺はまた後日。

という事で、3本目のハーディングフェーレの完成写真と簡単な解説でした。

Telemark Fes~コンサート編~

あれから2週間も経っている。
「もう」の様な、同時期に出来た新作楽器の事考えれば「まだ」という気もします。
今回はTelemark Fesで見る事が出来て、好きになったミュージシャンを紹介したいと思います!
まずは
Bogue Chitto
Mattis Kleppen-Bass
Are Rosseland-Drum
Marius Klovning-Guitar
のインストバンドです。
これがもう最高のグルーヴを奏でるカッコいいバンドでした。
金曜日の夜中0:30頃スタートで僕もその日はオープニングコンサートもあって、結構疲れていたのですが、カッコ良すぎて最後の方は一番前の席で見てました。
そんな遅い時間ながらもアンコールもあって、終わったのは夜中2時頃。


続いてはRaabygg
ノルウェートラッドファンの方であればご存知の方もいらっしゃると思います。
Johanne Flottorp-Hardingfele, Vocal
Tuva Færden-Hardingfele, Vocal, Lyre
Sigrid Kjetilsdotter Jore-Harpeleik,Vocal,Munnharp

彼女達はノルウェーのAgder地方の音楽を演奏するフォークバンド
それぞれの楽器の演奏は当然素晴らしく、そして彼女達は歌も歌われます。
3人一緒に歌う時の声の綺麗さと言ったら…透き通る澄んだハーモニーはうっとりしてしまいます。
この動画は確か最後の曲で、途中で女性は恐らくHege Johnrudさんと男性はSigbjørn Ruaさんの乱入ダンスが良かった♪ 動画、遠くてごめんなさい…

全く個人的な話なのですが、このSigridさん、以前工房にいらしたことがありました。
楽器見て分かる通り彼女はハーディングフェーレは弾きません。彼女が使用しているHarpleikに問題があってそれの修理を頼まれました。当然私はその楽器の専門家ではないですよ(笑)
一つペグが緩んでしまいチューニング出来ないらしく、購入した先はノルウェーではないため持って行けず、修理方法だけ聞いて、それをやって欲しいとの事でした。

そしてその修理方法は…ハンマーでペグを叩く!

…マジか^^; 怖いよ。それを僕がするの?(笑)
と言ったのですが、彼女は「大丈夫!壊れてもあなたの責任じゃないから、気にしないでやって~!」と言われ、恐る恐る叩きましたよ。結局直らずでしたが。
そして今回のオープニングコンサートで彼女とバックステージで再開して、そう言えばあれどうなったの?と聞くと、まだ直ってない、と。近々新しいペグを取り寄せて、また持って行くわ!と言ってたけど、ペグ交換僕がやるん?笑
まあその時はまたその時で。

その他見れたのは動画撮れなかったけど、Øyonn Groven MyhrenさんとOdd Nordstogaさんのコンサート見れました!
こちらもとても素晴らしいコンサートでしたよ♪
Oddさんはこちらでは凄い有名のフォーク音楽の歌手。
そしてØyonnさん、私の聞き間違いでなければ、ノルウェーの有名な作曲家Eivind Grovenさんのご子孫なんですよね。

今回のフェスはコンサートほとんど見れなかったので、紹介はこれしか出来ずすいません。それぞれSpotifyで聞けるはずなので、是非聴いてみて下さいね♪
では!


2017年8月6日日曜日

ノルウェーの結婚式で演奏

今日はスペルマンスラグの依頼で結婚式で演奏してきました!
場所は教会!ではなくファーム、つまりは農場。
Bø駅の裏手少し登った先に広い敷地があり、ここはかつてGunnulf Borgenと言う、昔のとても有名なハーディングフェーレ奏者が所有していた場所でもあったそうです。

今回はこちらでのウェディングでした!
我々の仕事は、まず外で行われているパーティー中にスプリンガルダンスの披露、その後先頭に立ち、歩きながらウェディングマーチを演奏し、出席者の方々を食事の場所までお連れすると言うもの。僕は後者のウェディングマーチでの先導のみでしたが、ノルウェー現地でこうして結婚式で演奏出来た事はとても嬉しい経験でした!
冠婚葬祭の場でもハーディングフェーレは演奏されますが、うちの職人Ottarさんは時折お葬式での演奏の依頼が来て、工房お休みする事も珍しくないです。
そういう時は故人の思い入れのある曲を演奏したりするそうです。リクエストがあればですが。

今回の会場はこんな感じでとても素敵な場所でした!






そう言えば、イギリスにいた時は大きな教会で鐘を鳴らすお仕事というかほぼボランティアみたいなものでしたがしてて、主には日曜の朝のミサのため、そして依頼があれば結婚式で鐘を鳴らす事もありました。
確か当時鳴らしている時の動画あったはずなので、いつかイギリスの結婚式についてもちらっとブログ書けたら面白いかもですね。