2017年8月21日月曜日

4th Hardingfele製作近況

今回作っている4本目のハーディングフェーレは過去三作モダンのハーディングフェーレから遡り、1700年代に活躍していたハーディングフェーレ、そしてヴァイオリンも作っていたTrond Isaksen Botnenのスタイルを元に製作しています。
彼の楽器を通称Tronda-feleと言われたりもします。
彼のお父さんIsakも同様に製作者です。
こうした通称が付いているので、決まった型があると思われますが、実は彼の作品は色々試したのでしょうか?アウトライン、アーチの高さ、製作の質が結構バラバラで定まってません。さて、どれを元にすれば良いやら迷いました。
ただ特徴はあるので、いくつか見た中で、自分なりにまとめて形にしています。
なので、全くのコピーという訳ではなく、過去の作品から所々つまみつつ、またマネしなくていい所、例えばアーチが凸凹でいびつであったり(部分的には使用した木材の含水の問題と経年変化による原因)、そういう点はマネせず、アーチの特徴をとらえつつ綺麗に整えて製作しています。厚みも同様ですね。

さて、今ではなかなかお目に掛かれない彼の作品ですが、実はBøの博物館にも彼の作品があるのですが、職人さんからこれはおススメしない…と言われたので却下しました。まぁ確かにあまり制作意欲が沸く作品ではなかった。
以前VossにあるOle Bull Academyに伺った際に修理中のTronda-feleがあったので、それも参考にさせて頂きました。

作品から見て分かる通り、Rosingはほとんど描かれてませんが、rosingというか外枠だけ描かれてるのでもはやrosingとも呼ばれないかも…ただ他の作品を見ると今とスタイルの違う花が大きく描かれ、また色付きの派手なRosingもあります。
ヴァイオリン製作をしていたことから、ヘッドはヴァイオリン同様スクロールの物もありますが、動物もあり。テールピースや指板もだいぶ違いますね。
実はこのデザインには意味があるのですが、それはまた別で。去年日本で行ったイベントに参加して下さった方は覚えていれば、この時説明しました。……はず(笑)

昨日までの製作段階ですが、Bass Barを取り付け次回成形に取り掛かります。
今回は厚み、アーチに手こずりました^^;今までに経験ないタイプで結構戸惑いましたが、表裏板両方終えて、地道に進んでいます。
今回表板はVoss産のスプルース。
裏板にはSvartorとノルウェー語で言われる木材を使用しています。
英語ではblack alderと言うそうで、日本語でalderはカバノキ科ハンノキ属(wiki調べ)。
実はこのSvartor、ハーディングフェーレではとてもよく使われていた木材で過去の作品、素晴らしい音色奏でる楽器含め使用されておりました。今回職人さんから頂いたので、これに使わずいつ使う!?な勢いで使用させて頂きました。

一体どういう音、楽器になるか今からとても楽しみな作品です。


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