2017年7月4日火曜日

ハーディングフェーレについて

まず初めに、この楽器のお話をする前に注意して頂きたい事は、この楽器の起源、頭の生き物は何か?など、現在でも必ずこれだ!と言えない事もあります。つまり諸説あり、という事を念頭に置いておいて頂けると助かります。

では
私が学んでいるノルウェー伝統楽器の一つ、ハーディングフェーレとは、ノルウェーの西部ハルダンゲル(Hardanger)地区で生まれた弦楽器。ヴァイオリン同様弓で弾く4本の弦と下に通る共鳴弦(現在は4~5本が主流)があります。

でもじゃあハーディングとは?となると思います。ハーディングとは言わば「ハルダンゲルの~」、例えば日本で言う「Japan」「Japanese」の違いと解釈して頂ければと良いかと…FeleはFiddleです。
なので、英語で話す時は、Hardanger Fiddle、ノルウェー語の時はHarding Feleという事が多い印象を持ちます。

そして現存する最古の物で「公式上」1651年のOle Jonsen Jaastad、こちらがその作品です。


現代のに比べて、だいぶほっそりと特に表板は高く、アーチはふっくらとしていますね。指板など色々デザインも異なります。その後徐々に東へ渡りTelemarkの方へ渡ると現代のよりヴァイオリンの形にボディーは変わっていきました。ボディー、指板等のデザイン、本体に描かれている花模様Rosing、頭の形、それぞれ、さまざまな製作者によって変化を遂げていきました。
最も有名な製作者の一人Olav Gunnarsen Helland(1875-1946)さんの作品
とても美しいですね~


ハーディングフェーレにおいて「こうではなくてはいけない」という事はなく、ヴァイオリン族の製作に比べたら、自由度の高い楽器かもしれませんが、楽器のポテンシャルを引き出すのに大事な数値やバランスなどは職人さん方の研究の結果、少なからずあります。僕はその辺りを考慮して製作しています。

断言しにくいその1(笑)起源についてですが、有力なのはざっくり言うとバロック楽器で共鳴弦を持つ楽器が上がります。
その2、頭の生き物はライオンヘッドと呼ばれる事が一般的ではありますが、ドラゴンとも言われることも…諸説ありです。

う~ん、こういう起源などを話す時はとても気を遣います(笑)特にこういう場では…
なので、ここでは簡潔に述べさせて頂きました。

とりあえずこんな所でしょうか?
一つ一つ細かい事を述べると書く量がかなり増えそうなので、基本的な事に関しては、この辺に留めておきます。


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