2020年11月11日水曜日

【イベント告知】12月13日Norwegian Christmas Concert @ Norwegian Icons

 今年は予定していたイベントもなくなったりもして、もうないかなぁと思っていたのですが、先日、東京にあるノルウェーの家具などを扱うNorwegian IconsのオーナーさんとSlåtterなどでお世話になっているピアニストの安保美希さんからお声をかけて頂き、今回イベントを立ち上げる形となりました。

ノルウェーの家具に座り、ノルウェーのフグレン珈琲を飲みながら、ゆっくりノルウェーの音楽と実際体験したノルウェーのクリスマスの写真とお話をしながらのんびり過ごす時間になればと思います。内容、注意事項、ご予約などの詳細は下記ページにてご覧くださいませ。

※フェイスブックページの参加予定ボタンのみでは予約は確定されませんので、ご注意下さいませ。メール、電話等にてご予約お願い致します🙇

よろしくお願い致します。

https://www.facebook.com/events/728768968021571/?acontext=%7B%22source%22%3A%2229%22%2C%22ref_notif_type%22%3A%22plan_user_invited%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D&notif_id=1605086641386914&notif_t=plan_user_invited&ref=notif




2020年11月3日火曜日

ハーディングフェーレは意外と軽い?

 ハーディングフェーレを初めて持つ方々が仰る感想の中でよく耳にする一つが

「思ったより軽い!」

です。

ヴァイオリンをやっている人たちでもそれは同様です。きっと装飾の多さと共鳴弦、それによってペグも多いなど、見た目からくる印象で重く見えるのかもしれませんね。

という事で、計ってみました!前回の共鳴弦アジャスター付きのも今あるので、比べるには良い機会かもしれません。

今回比べた6種の楽器がこちら


左から順に重さと楽器の解説を行っていきます。


①自作ハーディングフェーレ(4弦+5共鳴弦)437g

ボディーは今まで作った中では若干小さめ。ボディーとペグボックス枠の装飾なし、テールピースは本来は通常の装飾の物をつけていますが、今は臨時で共鳴弦用アジャスター付きのテールピースをつけています。

これから他の重さも出てきますが、個人的な感想は思った以上に軽い!このテールピースはどうしてもアジャスターのせいで重くなってしまうので、どうかなと思っていましたが、意外とそんなことなかったです。

➁自作ハーディングフェーレ(4+5)459g
No.3の楽器で、この頃はネックが今より厚め、頭もちょっと重たいデザインかなと思います。フルの装飾を施した楽器です。ボディも①よりかは若干大きいのもあり、先ほどより少し重い結果になりました。

③ノルウェー生まれ1929年製のハーディングフェーレ(4+4)474g
装飾はいたってシンプルではありますが、ちょっと重いですね。板などの厚みが原因かなと感じます。

④自作ハーディングフェーレ(4+3)362g
こちらはオールドタイプのハーディングフェーレという事もあり、ボディも小さく、装飾もとてもシンプル。さすが、軽いですね~ここまで軽いと、うわ、軽っ!と感じます。
⑤自作ヴァイオリン(フルサイズ4/4)432g
処女作のヴァイオリンですね。ヴァイオリンのおよその重さはうまく言えるわけではないですが、この重さは決して軽いとは思いませんが、重いとも思いません。
学生の時に使った質がそこまで高くない木材ですから、少々重めかもしれません。今作ればもっと軽いのが作れるはず...
⑥自作ヴァイオリン/フィドル(7/8サイズ)393g
先日ご紹介した新作の楽器です。サイズも小さいという事もあり、やはり軽いですね。
扱い易くて良いです♪

以上となります。
いかがでしょうか?個人的な感想としては、ハーディングフェーレの枠や指板、テールピースの装飾を施してもそこまで重くなるとは感じませんでした。
楽器の重さは作り手によって、いろいろ変わるので、簡単に比べられるものではないですが、結果ハーディングフェーレはヴァイオリンのフルサイズと比べて、装飾、ネックがヴァイオリンより長い、共鳴弦などがある割には大した差はないと思いました。
共鳴弦が付いていても、ヴァイオリンと同じくらいの重さで共鳴音が得られるのは良いですよね。
今回はあくまで一例です。板の厚み、もともとの木材の重さ、本体のサイズなどによって重さは変わってきます。








2020年11月1日日曜日

共鳴弦のチューニング

 11月になりました🍁

さて、今日はハーディングフェーレを演奏するではよく話題にあがる共鳴弦のチューニングの問題についてのお話です。

通常は他の弦同様にペグで行います。E弦についてはヴァイオリン同様アジャスターをつけるのも一般的です。しかし、E弦と同じくらいの細い共鳴弦はアジャスターがありません。つまり、ほかの弦よりも、ほんの少し回しただけで音程が大きく変わってしまうチューニングをペグで行わなければなりません。ただ、難しい感じに聞こえるかもしれませんが、ペグの状況が良好で、あとは慣れればそんなに難しいとは実際は感じません。

しかし、ハーディングフェーレでコンサートを行う奏者たちにとっては曲の合間のチューニングは素早く行いたいところ。

しかし、ここでいつも思い出されるのは、ノルウェーでハーディングフェーレのコンサートを観ていた時、ご年配の女性が

「この時間もハーディングフェーレのチューニングもコンサートの一部だから良いのよ♪」

と仰っていたこと。僕もそう感じているので、正直あんまり気になりません。

それは個人の意見なので置いておいて...そうは言っても流れも大事ですよね。

この共鳴弦をアジャスターと同様に細かくチューニングする方法としては、2つ。

1つは今では一般的なギアのペグを使うこと。このペグはヴァイオリンで元々開発されたものですが、共鳴弦のチューニングにはとても良い効果があります。普通にペグを回す感じなのですが、音程の調整がアジャスターのように細かく出来るようになっています。

僕の楽器でも以前、共鳴弦付きフィドルを作ったときにこのペグを使いました。ノルウェーにいた頃も使用する機会がありました。

ただこちらのデメリットは弦交換が面倒。普通に回していてもアジャスターくらいの微々たる音程してか変わらないので、初めにたくさん回すのが大変。それ用の専用の工具はあったと思いますので、これがないと少々面倒かなと。最新のギアペグの精度は詳しくないので試したいと思うところですが、以前の経験からすると、ペグを巻いている最中に細い共鳴弦がギアペグの小さな隙間に食い込んでしまうことが多々あり、弦を切ってしまうことも。

結果として共鳴弦の配置を変えることで何とか解決はしましたが、少々扱いにくい印象でした。

あとはハーディングフェーレ特有の装飾ペグが作れないこと。伝統的なデザインをした中にはちょっとミスマッチ感のあるペグの素材。

そのあたりが気にならなければ共鳴弦のチューニングをする上ではとても便利なギアペグです。ですので、ご要望があればギアペグを付ける。という感じですね。


もう1つはテールピースにアジャスターをつける事。今回はそちらの方法を実験し試作品を作りました。前々から奏者の方々と話すと、テールピースにアジャスターがあれば...という事を度々耳にしておりましたので、作ってみることに。

こちらのデメリットとしては、共鳴弦の数だけアジャスターをつける事になるため重たくなる事。またテールピースの長さの半分近くをそれに占領されるため通常のハーディングフェーレのテールピースの装飾が出来なくなる。(部分装飾になる)

これを作るうえで、既存のヴァイオリンのテールピースは使えないので、(一応試しましたが駄目でした。)テールピースを1から作ることになります。この辺はハーディングフェーレと同じですね。

あと、単純にアジャスターを付ければ良いというものではなく、配置、弦がぶつからない、弦交換の際問題なく出来るか、駒の共鳴弦を通る高さより低い位置から弦が飛びださないといけない。など結構色んな事を考えなくてはなりません。

そこで出来たのがこちらの形


色々考えましたが、今の所この形以外考えがつきませんが、上記の問題をすべてクリアは出来ています。
シンプルなように見えて、このテールピースの裏側では繊細なお互いの配置の攻防が・・・
重さはやはり感じますが、アジャスターとしての機能はしっかりと果たしてくれています。すでに改善点は見えてますが、大きな問題はないので、しばらく使って経過見て問題なさそうであれば、次回はこれの改良版を作ろうかなと。
これであれば、弦交換時もペグで瞬時に必要な音程まで持っていけますし、その後アジャスターで微調整が可能となりチューニングの時短が実現します。
興味ある方はぜひご相談くださいませ。