2018年1月29日月曜日

グリーグの幻のスケッチとノルウェー生活を知る人たちと…

1月28日
この日はお誘いを受けて、練馬にあるミュージックギャラリーアリエッタで行われた日本グリーグ協会プロジェクトでノルウェー・オスロ国立音楽大学卒のピアニスト安保美希さんによるレクチャーコンサート「Edvard Griegの幻のスケッチから生まれたもう一つのピアノ協奏曲」に参加してきました!🇳🇴
グリーグが残した楽曲、ピアノ協奏曲ロ短調を完成させた作曲家でピアニストのHelge Evjuさん。安保さんとの出会いのお話から曲の細かい解説(各楽章の解説)、安保さんがEvjuさんのご自宅に伺いEvjuさんにインタビューをした様子、その彼による演奏交えての解説など、マニアックな内容でしたが、安保さんのこのイベントに対する使命感をしっかりと感じられて、じっくりお話を聞かせて頂き、たくさんメモしてました!楽しかったです。
そして今回、お誘い下さったのは、僕がノルウェーにいた時に出会って購入したハルダンゲル地方を舞台にした絵本ノリーカの著者、デザイナーでJondalで伝統織物を学ばれた伊藤文子さん。
一度お会いしたかった伊藤さんとようやくお逢い出来ました!今回逢う日が丁度、安保さんのコンサートがあるという事で参加しました。
事前に安保さんとグリーグ協会理事の田邉さんには僕が行く事をお知らせして下さっていたようでしたので、ハーディングフェーレも持参していきました。てっきり彼らだけに見せるものと思いきや、コンサート休憩中に安保さんよりご紹介いただき、楽器の簡単な説明と1曲短い曲をお客さんの前で演奏させて頂きました。飛び入りで、しかも休憩中にも関わらず皆さん興味深く聞いて下さいました!そういえば、自分で名前名乗る事をすっかり忘れていました^^; お邪魔致しました~

コンサート後は安保さんと伊藤さんとコーヒー飲みながら、お互いの話や我々みんなノルウェーに住んでいたものですから、当時の苦労や生活の話(多分スーパーや食材、食生活が一番盛り上がったw)などなど、僕はお2人とは初めましてでしたが、たくさん笑ったなぁ…な1日でした。
そして実は我々がノルウェーに住んでいた時期が綺麗に被っていないという事も面白い偶然でした。
安保さん(2008-2013)→伊藤さん(2013-2015)→僕(2015-2017)という見事なバトンリレーの様にノルウェーの生活の入れ替わり。
という事で、写真撮って置こうと皆で撮った📷
さて僕の次に続く新たな日本人とはいつか出逢うのかな…?


安保美希さんHP
伊藤文子さんHP

2018年1月25日木曜日

工房近況あれこれ

先日ハーディングフェーレ専用の弦を取り扱っているRudi弦がノルウェーから届いた。
通常はゲージ(太さ)10.5、11がよく使われますが、今回は11.5、12も注文してみた。
ノルウェーにいた時でも見た事も使った事もなかったので、その存在自体知らなかったですが、先日ハーディングフェーレ奏者の樫原聡子さんからこの太さのもあると聞いて、最近色々調弦の違いによる弦の使い訳を考えていて、これは朗報でした。まだ試せてはいないのですが、これから研究していきます。
ただ、この太い弦に関して、Rudiに問い合わせしたら、12は特にいないらしく、オーダーリストにも載っていないほどだそうで、相当珍しかったらしく驚かれました^^;
そして別の弦の会社からもハーディングフェーレ弦を取り寄せる予定です。入荷したらまたお知らせ致します。
もしハーディングフェーレ弦欲しい方いらっしゃいましたら、fiddle@keisukehara.comまでご連絡下さい♪


ノルウェーで作っていた新作の製作も再開して、ラベルも作りました。
今まで作ってきた楽器には全て手書きのラベル。決まったテンプレートを作ってしまえば楽なんですけどね(笑)でもなんかラベルのサイズ毎度計って、デザインも少しずつ違っていて、手書きも好きなので、しばらくはこのままで。気が向いたらテンプレ作る。

そして、今計画しているある製作…普通のヴァイオリンではないです、とりあえず(笑)手描きでスクロール描いてみた。
そして、今日あるものが届きました。1か月以上水面下で、頑張って来たものが形になったのをみて…うっ(/_;)
また後日お披露目いたしますね。
今週は寒そうなので、皆様暖かくしてお過ごしください!

2018年1月22日月曜日

現代ハーディングフェーレ職人として

今日はこちら横浜でも大雪今もなお降っているようです。
ノルウェーであれだけ見てきたから、別に…ってことなく、普段ここでは見れない雪景色も良いものです。

先日、ノルウェーの無形文化遺産を掲載しているウェブサイト
Immateriell Kulturarv(無形文化遺産 https://www.immateriellkulturarv.no/)
内に掲載されたDen Norske Hardingfelemakar tradisjonenに現代の職人の一人として私も名前が載りました!
https://www.immateriellkulturarv.no/bidrag/den-norske-hardingfelemakartradisjonen-the-norwegian-hardanger-fiddle-making-tradition/

現地の方々に認めて頂けたと素直に喜んでおります。
ノルウェー現地でも10人にも満たないプロの職人(つまりフルタイムで働いている人たち)皆が皆、製作家としてやっているわけではないので、載っていない職人さんの名前もありますが、現代を代表する方々と並んで、こうして自身も載った事はとても光栄な事。
「歴史に名を刻んだね」
と言われて、自分が?歴史に?名を?刻む??とピンと来ないのですが、歴史に名を刻んでも刻まなくても、姿勢は特に変わるものではないかな?っと。
ただ自分に出来る最高の作品を作って、楽器を直して、その中で研究もしながら色々学んでいく。それがずっと続いていくんだと思います。

ヴァイオリン製作学校の頃から数えると既に11年目になるのですが、過去一度もこの仕事を辞めたいと思ったこともなかったし、大変な事はたくさんありましたが(今も大変だけど 笑)、それが辞めたい事に繋がらなず、こうしてやってこれた事は幸せな事かもしれません。
最近、工房もまとまりつつあり、既にヴァイオリン、ハーディングフェーレ、弓もメンテナンスや修理のお仕事も頂いていて、製作もようやく進められそうです♪
昔は仕事場の環境上出来なかったお客さんとの直接の対話も個人工房となると当たり前なので、その都度色々楽器の説明出来るのは楽しいですね。
これからコツコツ頑張って行きます🎻




2018年1月11日木曜日

大阪へ~ハーディングフェーレ研究とコンサート~

先週末…
の前に、2018年初投稿でしたね。
新年あけましておめでとうございます。本年もゆるりとブログ更新して行きますので、どうぞ皆さまよろしくお願いします!

さて、改めて…
先週末は大阪に行ってきました。
目的はノルウェー在住のハーディングフェーレ奏者、樫原聡子さんのコンサートを観に…ただいま一時帰国中で今回は一度しかないコンサートという事で行ってきました。

樫原さんは以前もブログの中でご紹介させて頂きましたが、ノルウェーで長年伝統音楽を学んでいる方で昨年伝統音楽のMaster Degree(修士)を取得された方です。ここ近年は私も住んでいたテレマルクの音楽を重点的に学んでいるそうです。
日本で中々ハーディングフェーレのソロ(伝統音楽)をここまでじっくり聴ける事もまだ珍しいと思います。しかも今回はテレマルクも多く演奏されていて、この地域の音楽がこんなにたくさん日本で聴けるとは♪
流石と言うべき、演奏の質と各曲や奏者の解説、その季節に合った楽曲選びなど、私自身とっても勉強させて頂きました!まさかKnut Dahleの名前を聴く事が日本であろうとは(笑)
いつかは関東でも!と願っています。
今回はニッケルハルパ奏者の本田倫子さんとのデュオもあり、昔から北欧音楽を知っている方々はFissの音楽も知っていて、絶賛されていたので、今回初めて聞く事が出来てとても良かったです。生音だったので、音量のバランスはやはりニッケルハルパが…と言うのはありましたが、それでもお2人の演奏、演出は日本では普段見られない素晴らしいものでした。

そして、今回の大阪滞在ではノルウェーでもお世話になった野間さんご夫妻に大変お世話になりました!
コンサートの日の前日に大阪入りして、その日はゆっくり一日ご自宅でお世話になりました。午前中はレッスンがあるとの事で、のんびりしてたのですが、その生徒さんがなんとSpruket Krusのメンバー三浦郁美さんでした!お互い知ってはいましたが、思わぬ形での初めましてにびっくり。ハーディングフェーレも弾いてもらいました♪

午後からは友貴さんと腰据えてハーディングフェーレの話。
彼所有のKleven fiddleは元々私がノルウェーに居た頃Ottarの工房にあった楽器で私も好きな楽器。その楽器とSalveさんの楽器ハーディングダモーレ、私の新作ハーディングフェーレ、またフィドルやヴィオラなど色々交えて、また、お互い持っている弓を使用して試奏、今回は彼所有のバロック弓を新作のハーディングフェーレに使わせてもらいましたが、これが個人的には完璧の相性で、ずっと「これいいなぁ、ほしいなぁ」って言ってました。音が強くなりすぎず柔らかすぎず、豊かな音を出してくれる弓でした。

弦の話もたくさんしました。
私からするとこの辺は、奏者の方が私の知らない範囲の意見を持っている事もあり、彼の経験から来る貴重な意見を頂き「ふむふむ…( ..)φ」と勉強しながら、そこから生まれる次なるアイデアを得たり、音楽の話もたくさん、一緒に演奏させて頂いたり、のんびりしながらもとにかくずっと話してました。
そうこうしていると美紀さんも帰宅されて、一緒にご飯食べながらひたすらトーク。
こうしているとノルウェーにいた時の感覚が自然と蘇ります。
彼らとは逢う度に夜遅くまでずっと話していて、今回も2日間とにかく喋ってました笑
何故かトークが尽きないんですよね~不思議…
とても濃い2日間でした♪