2020年3月30日月曜日

無心の削り

今日は志村けんさんの訃報から、何だかあまり良い知らせを受けない日でした。
こんな世の中だから仕方ないですし、改めてしっかり生きていかなくてはと気を引き締めている所です。
志村さんのひとみばあさんが好きでしたね。小さいころから見てたお笑いでしたから、訃報を聞いたときはしばらく信じることが出来ませんでした。今もどこか現実味がありませんが、ご冥福をお祈り申し上げます。

日中は新作の製作で表、裏板のセンタージョイント(2枚板の中心を膠でつける作業)のため、ひたすらカンナ掛けしてました。
かけている最中はどこか心ここに在らず状態でしたが、無事に終えてます。
今回から出来る限り作業している様子も撮っていこうと思って、工程毎に記録するようにしてます。前までは材料だけが映る形がほとんどでしたが、三脚立ててタイマーで撮っていけるようになったので、作業している様子もお見せできたらと思います。





気づけば大量の鉋くず。
がんばろ。

2020年3月28日土曜日

10挺目!

次にオーダー頂いている作品をどのカテゴリーに入れれば良いのか分かりません(笑)
ハーディングフェーレでもないだろうし、ヴィオラなんだけど、共鳴弦あるし。ノルウェーのSalveさんが作るハーディングダモーレ(ヴィオラダモーレとハーディングフェーレのハイブリッド)でもないし...彼の作品にフィドルに共鳴弦張ったものがあり、私も再構築品として以前作りました。彼はそれをSetesdal feleと呼んでいます。昔Setesdal地方で一時流行ったタイプ。それのヴィオラ版なので、その名が一番近いのかなぁ。。。

前にもお話してると思いますが、ハーディングフェーレの定義ってどこにあるのかが未だに不明確です^^; そもそもハーディングフェーレはハルダンゲル地方で生まれたものなので、テレマルク地方に渡ってからモダンに変化した後もその名は継続して使われました。(楽器名論争があったらしいor今も微妙にあるのは前もお話した通り)
ヘッドが渦巻きのハーディングフェーレも昔の作品にあるし。こんな感じですね↓
ハルダンゲルミュージアム展示品Anders Andersen作

本体に描くロージングが必須なのか?ないものもある↓(Heddal作 Hardingfele)
枠には描くことはあっても、昔は今みたいに必ずしも花柄模様が描いている作品ばかりではなかったみたいです。
ただ指板、テールピースに関しては昔から装飾された物でしたね。
となると、指板、テールピースを装飾にすればハーディングフェーレ!
...と言いきってしまうのも難しい所なのですが^^;

この話は切りがないので話戻しますが、ということで、次作をハーディングフェーレとしてカウントしないとすると、その次の作品が実質ハーディングフェーレ記念すべき10挺目!となるわけです。
ヴィオラの方は今現在設計に色々悩みつつもほぼ固まってきています。ですが、材料が一部足りないため、現在注文中。材料揃い次第+オーナーさんとお話して諸々OKであれば進めていきます。優先はヴィオラになりますが、合間にその次の作品を進めていきます。10挺目のハーディングフェーレはオールドタイプ!私の作品の中でいえばNo.4がそれにあたります。ボディーは上の写真のHeddalと同じ感じです。
シンプルながら、土着感をより感じられる音質、ノルウェー伝統音楽奏者の中でも未だコアなファンがいる昔ながらのスタイルです。お客さんに試奏してもらった際にそちらを気に入って下さいました。
では、頑張って作っていきます♪

2020年3月27日金曜日

お知らせとあげわすれ

昨日今年のノルウェーで行われる民族音楽の大会、その中でも一番大きいLandskappleikenの中止が発表されました。今年は6月終わりごろでしたので、まだ3か月あるしどうかなと静観しておりましたが、思ったよりも早く判断が下されました。
また今年はその大会内で2年に1度行われるハーディングフェーレ及びヴァイオリンの製作コンペも開かれる予定でした。私もそれに向けて、準備をしておりましたが、残念な結果となってしまいました。でも仕方ないですし、正直胸中は中止になってホッとしている部分もあります。それは、もしこの状況下で6月頃には収まる傾向(完全収拾になる時期とは思いません)であり、大会も開催出来るとなっても、きっと安心して日本からノルウェーには行けていなかったと思います。民族音楽の大会には年齢層はどちらかといえば高齢者の方々が多い印象です。Landskappleikenともなると規模はとても大きいです。夏時期でノルウェー人にとっては休みも取りやすいため参加者も増える。なので、この一番大きい大会が毎年夏に行われるのだと思います。日本から参加すれば、コロナを持ってきたと不安を与えるのも、こちらとしては避けたいですし、お互い気持ちよく接することも難しいと思います。ノルウェーもそれなりに感染者はいらっしゃいますし、今やヨーロッパの方が深刻な状況ですので、そこまでではないかもしれませんが…ともあれ、今回の主催者の決定は支持します。
中止といっても来年に持ち越すので、場所は同じです。きっとプログラムも同じだと思いますので、それに向けてまた準備を重ねていこうと思います。

と、これだけではなんか寂しげですので...
写真を色々見返していると上げ忘れたものがチラホラ。
こちらは新作のロージングです。
 今回もしっかり描かせて頂きました♪
こちらの作品は既に完成しており、今は微調整をしながらお客様への受け渡し日を調整中です。

2020年3月25日水曜日

背景色

楽器の背景色は楽器を綺麗に見せるうえでとても大事な所です。今はPhotoshopとかあるので、たぶん撮った後に色々編集できるのかな?
僕はそんな技術ないので(笑)アナログに背景用にユザワヤとか行って素材を探しに行ってます。
HPのギャラリー(https://www.keisukehara.com/gallery)を見て下さった方であればご存知かと思いますが、僕は普段紺色を背景色に使っています。これはノルウェーにいた頃にこの色しかなかったためです。ですが、案外楽器の映えも悪くなかったので、帰国後もそのまま同系色を使っていました。
ですが、ギャラリーのヴァイオリンは灰色を使用しています。
これは僕がキプロスのヴァイオリン職人さんのもとで勉強していた頃に撮ってもらったもの。師匠は楽器の証明書も自身で作成するほどのヴァイオリンの目利きと知識を持っているすごい方で、証明書を書くときに、楽器の写真を載せるんですね。その時にこの灰色を使うことを教わりました。楽器も綺麗に見えます。
他の色に関してはあとは白と黒なんかも時々みますね。

今回、灰色が手に入ったので、久しぶりに使用してみました。
そして気づいたことがあります。ヴァイオリンは問題なく綺麗に見えました。ただ紺色だとちょっと違和感...悪くないのですが、どちらかといえば、灰色の方が好きですね。
 うん、やはり灰色の方が楽器撮影には良いのかな。と思って、そのままハーディングフェーレも撮影しました。すると…おや?とハーディングフェーレだと、これも微妙な所なのですが、紺色の方が映える気がする…同じ楽器で比べてみました↓
皆さんはどう思いますか?好みで分かれそうです。
でも見慣れてくると灰色も穏やかな雰囲気できれいだなと感じました(どっちやねんw)
多分ですが、外枠の白蝶貝の装飾が灰色と似た色の為、若干同化してるからなのかもしれません。なので、背景が暗めの方が枠がハッキリするのかな?と…
個人的はどっちも良いです。
また、楽器のニスの色によっても背景色の合う合わないも多少あると思います。
お客さんの楽器を撮影する際は、どちらがお好みか選んでもらうとします。

あと、楽器ケース内の素材の色も同じ事が言えます。楽器ケースから開けたときの第一印象も実は素材の色で楽器の見え方に影響してくるので、意外とその辺りも重要な方もいらっしゃると思いますので、意識してケース選んでみるのも良いかもですね。



2020年3月24日火曜日

楽器撮影

昨日今日と楽器の撮影を行っていました。
この工房に来てから初めての撮影。
新作の撮影がてら、以前撮った物を再度撮り直したりしておりました。

こんな感じで撮影。前よりかは安定した質で撮れるようになりましたが、もっとクオリティーの良いものを目指すには撮影用のライトや色々機材が更に必要になりそうです。流石にそこには今は場所も予算もないので、とりあえずはこれくらいでも良いかなという感じです。
次回は楽器と背景色についてのお話をしたいと思います。



2020年3月20日金曜日

ハーディングフェーレ製作で好きな工程

ご注文頂いている新作もセットアップの段階に入ってきました。
セットアップというとヴァイオリンの世界ではペグ、指板、テールピース、魂柱や駒...などが含まれる部分、音を出す直前のパーツの組み立て作業ですね。ハーディングフェーレはそれに加え、共鳴弦用のナットなども入ってきます。とても重要な部分ゆえ一つ一つのパート毎集中力はフル稼働です。
先日は象嵌に付着したニスをはがす作業を行いました。ヴァイオリン製作では滅多にみない工程だと思います。
この作業好きなんですよね。
ニス色と同化していたので、メリハリがはっきりと出ますし、これを終えるとぎゅっと楽器の見た目が引き締まって全く違う雰囲気になります♪
←ニス付着 剥がした後→
もうじき完成です...
引き続き頑張ります。

2020年3月7日土曜日

近況報告(製作)

製作ですが、今はハーディングフェーレとしては9本目となるご注文の楽器を製作しております。ニスを塗りつつ、その間に指板とテールピースの端に付ける透かし彫りの装飾を製作中。透かし彫りもだいぶ慣れてきたけれど、やはり難しいです...
デザインは方向性が定まってきた感じがします。でもどれも微妙に違う。

そして本日は新しい工房になってから初めてのお客様がいらして下さいました!
こんなにも早く1人目が来店されるとは思ってもおらず、とても嬉しかったです。
しかも製作のご注文も頂けたので、驚きが隠せませんでした。ありがとうございます。
ご注文を頂くのはもちろんうれしいのですが、本当に喜べるのは、作って実際にお客さんが気に入ってくれたら...なので、いつもドキドキしています。とにかく今までの経験を生かして丁寧に作っていきます!
まだまだ、皆様のお越しをお待ちしております♪

近況報告

というあきらかにタイトル思い付いてないなとばれるタイトルです(笑)
引越し作業も落ち着き、工房の改良も済んでとりあえず作業に専念出来るようになってきました。
作業台は2台追加で作りました。一台はメインで使っている台のサブとして。もう一台は折り畳み式です。折り畳み式は初めての試みでしたが、結構気に入ってます。
常時設置はしたくないけど、あると便利な作業台です。ニスなど行う際はこちらを使用しています。メインの方だとどうしても木埃など出てしまうため、同じ作業台で行うとしたら、毎度綺麗に掃除してからでないと行えませんでした。以前の工房ではその辺大変でしたので、部屋も広くなったここではメインの作業台から少し離れた反対側に折り畳み式(ニス用台)を置き活躍しております。サブの作業台も前とは違う設計で作った所、メインよりしっかりした台が完成。こっちの方がええやん。。。と思いながらもあくまでサブとして使う気持ちを持ち続ける努力をしています笑
 今回はネットで木材注文したので、注文前に何度も頭で考え計算して、設計図を描きました。描き直しし過ぎて訳わからない設計図になりましたが、カット、木材など、なんとノーミスで注文出来ました!大体いつも何かしら間違う。
右がサブ作業台。左が折り畳み。実際はこのサブの所に折り畳み式を使用しております。

写真にはないのですが、写真の壁面に遮音と防音シートを張りました。理由としては響きを軽減する為です。近隣のご迷惑を出来る限り(今のところ何も言われてないですけど)掛からないようにという意味もありますが、最初ここで弾いた時、結構響きが良かったんですね。じゃあ良いじゃないかと思われるかもですが、いや、このままでいいと思うのですが、あまり響きが良過ぎると、例えば音調整など行う際に、楽器の芯の音色というのでしょうか、そこをしっかり聞くためには響きすぎると判断が鈍る事がある気がしています。
ですから、そこを軽減することで、でも十分な響きは保ちつつ...の範囲で調整できる環境の方が、工房としては良いかもと考えました。実際張ってみての感想は確かに響きは抑えられ、しっかりと楽器の音が聞こえるようになった実感はあります。でも弾いていても心地いいと感じられるので、とりあえずこれは張って良かったなと思います。仕事していく中でまた意見が変わるかもですが…何事も経験ですね^^;

後は、先日イギリスからイギリス人の友人でNewark時代の1学年後輩さんが日本に遊びに来ていたので、とっても久しぶりにお会いしました!
2人で江の島へ行き、のんびり散歩や談笑してきました。とてもいい天気の日でしたので、とても気持ち良かったです。食品サンプルにえらく感動してましたw

紫いもと抹茶のソフト食べた。男二人で(笑)
これ鬼滅の刃の甘露寺カラーだと後にいわれ、確かにそうだなと…

製作の近況続きます→