2017年10月21日土曜日

ハーディングフェーレ製作者~Botnenの地を訪問~

9月23日
ハーディングフェーレ製作の歴史を語る上では欠かせない一家Botnen。ハーディングフェーレに関わる方たちと船に乗って伺いました。
普段来れるような場所ではないので、さらに今製作中の楽器がBotnenスタイルなので、ワクワクが止まりませんでした。しかも快晴!




Botnenとは場所の名前なのですが、ノルウェーではその昔、住んでいた場所を名字に取る事がありました。
なので、地方に引っ越しした時に名前が変わる事がありました。
ハーディングフェーレ製作者交えて説明すると有名なHelland一族にSteintjønndalen一族が混ざっているのは、Eilev JohnsenがSteintjønndalenという場所に移動したので、名前が変わりました。今その場所はBøの夏のみに開く子供用の広場、サマーランドの中にあります(笑)

話は戻って、ハルダンゲルフィヨルドのメインの通りから途中曲がった(腕?)その行き止まりにそのBotnenはあります。

ハーディングフェーレ製作者のIsak Nielsen Skaar(Botnen)(1669-1759)そしてその息子のTrond Isaksen Flatebø(Botnen)(1713-1772)
SkaarはBotnen着く直前進行方向右手にその場所がありました。〇部分に小屋が見えました(マウスで上手く〇描けない笑)
Flatebøは多分そのBotnenのどこか。

そこで、Botnenの事をあれこれ聞きながら移動。
 何か見てます!
当時Botnenが通っていたとされる学校。
お茶をしながら時には演奏をしながらBotnenのお話しを聞く皆さん。
その後、当時楽器のサウンドチェックにで毎度訪れていたとされる場所に行きました。
ただそれは少し山を登った所にあると聞いたのですが、まぁちょっと軽く歩く程度だと思って服装も何もそのままで行ったのですが・・・急な岩山、時には岩が崩れ危ない。
急な雰囲気伝わるかな?^^;
次はどこの木に足かけて、枝に掴まって、、、とか考えながら登らないといけない大変な登山。もう途中から全然着かないから、「こんな所楽器背負って毎度登るとか、おかしいんじゃないの?笑」と半分心の中で愚痴ってました。暴言すいません(笑)でもそれ言いたくなるくらいでした。
ただ、、、何かおかしい。私(最後尾)は前を行く女性の後をひたすら付いて行ってたのですが、他の人はいないし、声も聞こえない、いつまで登ってもつかないし更に急になる道と言うか道なんてない所を登っていく。すると背後からその女性の娘さんが来て「そっちじゃない!行き過ぎ!」と知らせに来てくれました。完全にうちら二人迷子でした。
じゃあ戻ろうと思ったのですが、その余分に通った所が余りにも急で降りるのが命がけ。実際一度、濡れた岩肌に足を滑らせ身体が滑って行き、何とか気合で止まり、危うく崖から落ちる所でした…
うちら3人ハラハラしながらそのサウンドチェックの場所へようやくたどり着きました。
皆さん楽しそうに弾いてる…こちとら汗だく、その時のケガで両腕痛いわ痙攣してるし…
なのに、「フィドル(ヴァイオリン)弾ける?」「ええ、まぁ(いや、今ちょっとそれどころじゃないです^^;)」と思いながら半ば強引に弾かされ…
そこでの音がどんな響きだったとか何も覚えてないです。笑
その場所。家の小ささからその高さが伺えます。帰りはその経験をしたせいか、案外楽に降りられました。これも成長ですね。無事に下山して先ほどの家に帰った時、我々の3人の間には謎の友情が芽生えてました。

Botnenはこの地でたくさんのハーディングフェーレとまたヴァイオリンを作りました。
私の中で気になっていた素朴な疑問、前のハルダンゲルフォークミュージアムに伺った際にみたBotnenのヴァイオリン。パフリングは入っている。しかしハーディングフェーレにはパフリングはないです。
とある謎の人物がBotnenにヴァイオリンを伝えたとされていますが、彼ら(Isak?)はそこから楽器の事を知ったと聞きます。
ただパフリングの役割をちゃんと理解していたかどうかは謎です。彼らのみならずハーディングフェーレには現代でも基本的にパフリングは入ってません。描いているのが普通。でもヴァイオリン製作知っている方は入れたりします。
私もヴァイオリン製作者ですから、その役割を知っているので、ハーディングフェーレにも入れてます。ただBotnenはそれをしなかった。(あくまで現存する作品からの情報ですが)その理由は結局解明できませんでした。
やはり彼らの中でハーディングフェーレとヴァイオリンは似ていながらもしっかり分けて考えていたからなのか?単に面倒だったのか?笑
私が抱いていた謎達は残ったまま。
だけど、この地に来れた事はとても貴重な経験で、その当時に想いを馳せつつ、今製作に取り掛かっています。




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