2021年1月27日水曜日

ブログ移行のお知らせ

 ブログの更新ですが、下記に移行しております。

https://www.keisukehara.com/blog

お知らせ遅くなり申し訳ございません。

しばらくは使い勝手を計るためホームページに直接ブログを載せることにしました。

よろしくお願いいたします。


2020年12月31日木曜日

2020年、ありがとうございました!

 今年を振返ると、良い年と言うにはあまりにも難しい年だったと思います。ただ色んな事にも気づくことが出来た年でもありました。芸術面で生きている方々にとっては特に大変だったのではと。ただそれを考えると、その更に奥にいる自分の仕事は世の中に必要なのか?と考えたこともあります。

そんな中でも、ご依頼を下さった皆様には心より感謝を申し上げます。

自分にしか出来ない事、自分を必要としてくれている方々がいらっしゃる事に改めて感謝の年でした。

まだまだこの先がどうなるかは見えないですが、変わらぬ姿勢で色んな形で皆様のお力になれたら幸いです。

今年の製作楽器をまとめてみます♪

ハーディングフェーレ(モダン、フル装飾)
ハーディングフェーレ(オールド)
7/8ヴァイオリン
ヴィオラ(5+5共鳴弦)
こうしてみると全部違う楽器作ってたんですね~。ヴィオラ(5+5)は特注品で、今までにはない挑戦でした!
今も引き続き楽器製作は行っています。来年はもっといろんな方々に楽器を見て頂ける機会があると良いなと思います。

もう一つは、楽器製作動画をアップ終えました!(やっと...)
ニスとセットアップの様子です♪楽器はこうして生まれていきます。

今年、関わってくださった全ての皆様にありがとうとお伝えしたいです。
2021年が皆様にとって良い年となりますように。
今後ともよろしくお願いいたします
ハーディングフェーレ&ヴァイオリン工房K
原圭佑


2020年12月22日火曜日

The Folkmusician of the year 2020 in Norway

ノルウェーのフォークミュージシャン2020にVågåのフィドル/ハーディングフェーレ奏者のVegar Vårdalさんが選ばれました♪おめでとうございます🎻ノルウェー滞在中、Vegarさんには大変お世話になりました♪彼のVågåにある古いホテルでのコンサートが今でも忘れられないくらい僕にとっては伝統、民族音楽に大切な物を教えてくれました。

工房では彼のソロやバンドのCDを少々置いておりますが、受賞記念として、これら3種を今日から1週間限定で10%offでご提供させて頂きます♪税込¥2,100(送料別)

直接工房にて受け取りも可能です。その際は訪問のご予約をお願いいたします。

ご注文/お問合わせは下記までご連絡下さいませ。

fiddle@keisukehara.com

よろしくお願い致します🎻

写真左から


①フィドル、ハーディングフェーレのソロUkvessa Slåtter

②ダイアトニックボタンアコーディオン、アコーディオン、ハーディングフェーレのトリオGjevre,Odde&vårdalのHusklugumt

③フルート/歌、フィドル/ハーディングフェーレ、アコーディオンのトリオSnowflake TrioのSun dogs

2020年12月17日木曜日

Norwegian Christmas Concert @ Norwegian Icons

今日は特に冷えますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
先日13日に告知していた私、ハーディングフェーレ原圭佑とピアニスト安保美希さんとのデュオSlåtterのNorwegian Christmas Concertが渋谷にあるノルウェーの家具や雑貨を扱うNorwegian Iconsにて行われました。

お客さんのお席は全てノルウェーの家具

自分にとっては今年初めての人前での公演となりました。緊張はしていたものの、季節、人、お店の雰囲気などがとても心地よくマッチしていて、今までとはまた違う特別な空間でのコンサートとなりました。今回はノルウェーのクリスマス曲を中心にお送りましたが、ハーディングフェーレの伝統曲も交えて、一緒に弾いたり、ソロで弾いたり、ピアノ連弾があったり...
 Photo:Bjørne Hoff
Photo:Bjørne Hoff
Norwegian Iconsのオーナー高野あずささんと安保さんによる連弾♪Photo:Bjørne Hoff
Photo:Bjørne Hoff


またコンサートのちょっとした合間には、私が実際ノルウェーで体験したクリスマスの様子を写真とお話させて頂きながら、皆さんにはノルウェーのフグレンコーヒーと共に過ごして頂きました...
Fuglen Tokyo Coffee Photo:Bjørne Hoff

コンサート後はお客さんとお話したり、師走と冬の寒さの中で、ほっこりとゆっくりと穏やかな時間が流れていたように感じます。コンサートを通じてノルウェーを思い出しましたと感想も頂きました。日中の雰囲気も良かったですが、夜はまたお店の明かりの暖かさがより伝わる雰囲気に...
Photo:Bjørne Hoff
Photo:Bjørne Hoff





お越しくださった皆様、企画を提案して下さった安保美希さんとNorwegian Iconsのオーナー高野あずささん、おいしい珈琲を提供してくれましたFuglen Tokyoさん、お手伝いと写真を撮ってくださったモーリーさん、写真係してくれたBjørne Hoffさん、心から感謝の気持ちを送ります。皆さんのおかげで素敵なコンサートとなりました。
またお会いできますように...

余談:4年くらい前にノルウェーで散歩中に見つけた足跡...誰に聞いても分からず今まで謎のままでしたが、夜の部で判明しました。(この写真もイベント中にお見せしたものです)


リスでした笑 その場で調べてくれたノルウェー人のSさんありがとうございました♪
こんな足跡のリスおるんやね...




2020年11月11日水曜日

【イベント告知】12月13日Norwegian Christmas Concert @ Norwegian Icons

 今年は予定していたイベントもなくなったりもして、もうないかなぁと思っていたのですが、先日、東京にあるノルウェーの家具などを扱うNorwegian IconsのオーナーさんとSlåtterなどでお世話になっているピアニストの安保美希さんからお声をかけて頂き、今回イベントを立ち上げる形となりました。

ノルウェーの家具に座り、ノルウェーのフグレン珈琲を飲みながら、ゆっくりノルウェーの音楽と実際体験したノルウェーのクリスマスの写真とお話をしながらのんびり過ごす時間になればと思います。内容、注意事項、ご予約などの詳細は下記ページにてご覧くださいませ。

※フェイスブックページの参加予定ボタンのみでは予約は確定されませんので、ご注意下さいませ。メール、電話等にてご予約お願い致します🙇

よろしくお願い致します。

https://www.facebook.com/events/728768968021571/?acontext=%7B%22source%22%3A%2229%22%2C%22ref_notif_type%22%3A%22plan_user_invited%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D&notif_id=1605086641386914&notif_t=plan_user_invited&ref=notif




2020年11月3日火曜日

ハーディングフェーレは意外と軽い?

 ハーディングフェーレを初めて持つ方々が仰る感想の中でよく耳にする一つが

「思ったより軽い!」

です。

ヴァイオリンをやっている人たちでもそれは同様です。きっと装飾の多さと共鳴弦、それによってペグも多いなど、見た目からくる印象で重く見えるのかもしれませんね。

という事で、計ってみました!前回の共鳴弦アジャスター付きのも今あるので、比べるには良い機会かもしれません。

今回比べた6種の楽器がこちら


左から順に重さと楽器の解説を行っていきます。


①自作ハーディングフェーレ(4弦+5共鳴弦)437g

ボディーは今まで作った中では若干小さめ。ボディーとペグボックス枠の装飾なし、テールピースは本来は通常の装飾の物をつけていますが、今は臨時で共鳴弦用アジャスター付きのテールピースをつけています。

これから他の重さも出てきますが、個人的な感想は思った以上に軽い!このテールピースはどうしてもアジャスターのせいで重くなってしまうので、どうかなと思っていましたが、意外とそんなことなかったです。

➁自作ハーディングフェーレ(4+5)459g
No.3の楽器で、この頃はネックが今より厚め、頭もちょっと重たいデザインかなと思います。フルの装飾を施した楽器です。ボディも①よりかは若干大きいのもあり、先ほどより少し重い結果になりました。

③ノルウェー生まれ1929年製のハーディングフェーレ(4+4)474g
装飾はいたってシンプルではありますが、ちょっと重いですね。板などの厚みが原因かなと感じます。

④自作ハーディングフェーレ(4+3)362g
こちらはオールドタイプのハーディングフェーレという事もあり、ボディも小さく、装飾もとてもシンプル。さすが、軽いですね~ここまで軽いと、うわ、軽っ!と感じます。
⑤自作ヴァイオリン(フルサイズ4/4)432g
処女作のヴァイオリンですね。ヴァイオリンのおよその重さはうまく言えるわけではないですが、この重さは決して軽いとは思いませんが、重いとも思いません。
学生の時に使った質がそこまで高くない木材ですから、少々重めかもしれません。今作ればもっと軽いのが作れるはず...
⑥自作ヴァイオリン/フィドル(7/8サイズ)393g
先日ご紹介した新作の楽器です。サイズも小さいという事もあり、やはり軽いですね。
扱い易くて良いです♪

以上となります。
いかがでしょうか?個人的な感想としては、ハーディングフェーレの枠や指板、テールピースの装飾を施してもそこまで重くなるとは感じませんでした。
楽器の重さは作り手によって、いろいろ変わるので、簡単に比べられるものではないですが、結果ハーディングフェーレはヴァイオリンのフルサイズと比べて、装飾、ネックがヴァイオリンより長い、共鳴弦などがある割には大した差はないと思いました。
共鳴弦が付いていても、ヴァイオリンと同じくらいの重さで共鳴音が得られるのは良いですよね。
今回はあくまで一例です。板の厚み、もともとの木材の重さ、本体のサイズなどによって重さは変わってきます。








2020年11月1日日曜日

共鳴弦のチューニング

 11月になりました🍁

さて、今日はハーディングフェーレを演奏するではよく話題にあがる共鳴弦のチューニングの問題についてのお話です。

通常は他の弦同様にペグで行います。E弦についてはヴァイオリン同様アジャスターをつけるのも一般的です。しかし、E弦と同じくらいの細い共鳴弦はアジャスターがありません。つまり、ほかの弦よりも、ほんの少し回しただけで音程が大きく変わってしまうチューニングをペグで行わなければなりません。ただ、難しい感じに聞こえるかもしれませんが、ペグの状況が良好で、あとは慣れればそんなに難しいとは実際は感じません。

しかし、ハーディングフェーレでコンサートを行う奏者たちにとっては曲の合間のチューニングは素早く行いたいところ。

しかし、ここでいつも思い出されるのは、ノルウェーでハーディングフェーレのコンサートを観ていた時、ご年配の女性が

「この時間もハーディングフェーレのチューニングもコンサートの一部だから良いのよ♪」

と仰っていたこと。僕もそう感じているので、正直あんまり気になりません。

それは個人の意見なので置いておいて...そうは言っても流れも大事ですよね。

この共鳴弦をアジャスターと同様に細かくチューニングする方法としては、2つ。

1つは今では一般的なギアのペグを使うこと。このペグはヴァイオリンで元々開発されたものですが、共鳴弦のチューニングにはとても良い効果があります。普通にペグを回す感じなのですが、音程の調整がアジャスターのように細かく出来るようになっています。

僕の楽器でも以前、共鳴弦付きフィドルを作ったときにこのペグを使いました。ノルウェーにいた頃も使用する機会がありました。

ただこちらのデメリットは弦交換が面倒。普通に回していてもアジャスターくらいの微々たる音程してか変わらないので、初めにたくさん回すのが大変。それ用の専用の工具はあったと思いますので、これがないと少々面倒かなと。最新のギアペグの精度は詳しくないので試したいと思うところですが、以前の経験からすると、ペグを巻いている最中に細い共鳴弦がギアペグの小さな隙間に食い込んでしまうことが多々あり、弦を切ってしまうことも。

結果として共鳴弦の配置を変えることで何とか解決はしましたが、少々扱いにくい印象でした。

あとはハーディングフェーレ特有の装飾ペグが作れないこと。伝統的なデザインをした中にはちょっとミスマッチ感のあるペグの素材。

そのあたりが気にならなければ共鳴弦のチューニングをする上ではとても便利なギアペグです。ですので、ご要望があればギアペグを付ける。という感じですね。


もう1つはテールピースにアジャスターをつける事。今回はそちらの方法を実験し試作品を作りました。前々から奏者の方々と話すと、テールピースにアジャスターがあれば...という事を度々耳にしておりましたので、作ってみることに。

こちらのデメリットとしては、共鳴弦の数だけアジャスターをつける事になるため重たくなる事。またテールピースの長さの半分近くをそれに占領されるため通常のハーディングフェーレのテールピースの装飾が出来なくなる。(部分装飾になる)

これを作るうえで、既存のヴァイオリンのテールピースは使えないので、(一応試しましたが駄目でした。)テールピースを1から作ることになります。この辺はハーディングフェーレと同じですね。

あと、単純にアジャスターを付ければ良いというものではなく、配置、弦がぶつからない、弦交換の際問題なく出来るか、駒の共鳴弦を通る高さより低い位置から弦が飛びださないといけない。など結構色んな事を考えなくてはなりません。

そこで出来たのがこちらの形


色々考えましたが、今の所この形以外考えがつきませんが、上記の問題をすべてクリアは出来ています。
シンプルなように見えて、このテールピースの裏側では繊細なお互いの配置の攻防が・・・
重さはやはり感じますが、アジャスターとしての機能はしっかりと果たしてくれています。すでに改善点は見えてますが、大きな問題はないので、しばらく使って経過見て問題なさそうであれば、次回はこれの改良版を作ろうかなと。
これであれば、弦交換時もペグで瞬時に必要な音程まで持っていけますし、その後アジャスターで微調整が可能となりチューニングの時短が実現します。
興味ある方はぜひご相談くださいませ。




2020年10月8日木曜日

7/8サイズのフィドル(ヴァイオリン)

新しく本日公開致しました楽器は7/8サイズのフィドル(ヴァイオリン)です♪
出来上がってから数週間経ちますが、自分で言うのもなんですが、とても気に入っております。
前回タイトル「試み」で書いた楽器ですね。https://kei-hara.blogspot.com/2020/07/blog-post_25.html

弾いていてとにかく思うのこの楽器の音色は、穏やかで優しく心地良い暖かさがあります。
もちろん、作り、弦やセットアップをそっち方面にフォーカスを入れいているのが大きいですが、自分の楽器史上ではその点は一番だと思います。音量重視よりかは音色重視。またアンサンブルで前に出過ぎない周りに馴染みやすい音色だと感じます。セッションなんかにも良いかもですね。サイズも小さめなので、4/4が大きいと感じる方にもおすすめしたいです。
この間工房にいらしたハーディングフェーレ、ヴィオラ、フィドル奏者の野間友貴さんにも少し弾いて頂いて、好印象のようで、またご意見も頂けたので良かったです!ありがとうございました<m(__)m>
そこから色々彼とお話していて、これをもとにいくつか新たに作りたい楽器も生まれたので、挑戦していけたらと思っています。
本当にこの楽器作ってよかったです。ハーディングフェーレを作っていたからこそ生まれた楽器だと思います。
ご興味ある方はお気軽にご試奏しに遊びにいらしてくださいね。色んなご感想頂けたら幸いです。
fiddle@keisukehara.comまでお問い合わせください。


さて、前回のブログの続きを放置したままでしたので、ここでお話すると。
指板のカーブはクラシックヴァイオリンではおおよその形が統一されていると思いますが、今回はカーブを緩やかにしています。それは駒の頭のカーブに関係します。
こちらも指板同様決まったカーブの形があります。私は、両者の形は全く同じではないにしても、少なからず比例して来る所があると思っています。
クラシックを演奏する際には弓の角度などから、適切なカーブですが、クラシックを弾かないフィドル奏者からすると一般的な駒のカーブはどうなのか?という事に着目しました。
今までフィドル奏者の駒を見させていただきましたが、大抵クラシックよりかはカーブが浅めな印象があります。カーブが緩やかだと、弓の移弦がしやすく、また重音を多用する民族音楽には向いていると思います。
クラシック駒はカーブがそれよりも深いため、移弦は前者に比べると時間がかかるかもしれませんが、その分一弦一弦がはっきりと分かれており、またそれは弓と腕の動きに関係してくるため、クラシックに大事な繊細な強弱はより出しやすくなる気がします。
まぁあくまで個人的な感想ですが^^;
この辺り、いろんな方のご意見伺いたいですね。
そういう理由もあり今回はフィドル向けのセットアップにしています。

もちろんどちらの奏者でも自身の弾きやすい駒(または指板)の形があると思うので、どちらがどちらじゃないといけない!ということはありませんので、悪しからず<m(__)m>

簡単な見た目の比較
左4/4フルサイズ、右7/8サイズ
7/8のボディーサイズ348㎜、弦長324㎜。

2020年8月22日土曜日

指板作り(動画)

 久しぶりにYouTubeに動画を投稿しました♪HPには数日前にアップしていたのですが、指板作りの工程はちょっと面白いかなと思って投稿しました。

ハーディングフェーレのオールドスタイルの方の指板の製作動画です。寄木でちびちび作ります。

2020年8月8日土曜日

ハーディングフェーレ No.10 !

 ハーディングフェーレ新作のご紹介です♪

本日オーナーさんへの引き渡し完了致しました!

まずは作品から





今回はハーディングフェーレの18世紀頃に良く見られたスタイル。私は簡単にオールドスタイルと呼んでおりますが、細かく言うと18世紀頃活躍したハーディングフェーレ製作のBotnen家のスタイルの更にTrond Botnenの作品なので正確にはTronda-Feleスタイルと呼ばれます。No4の時に色々説明したと思うので、この辺りは割愛します。

前回と違う点はまず共鳴弦が4本で、前回は3本でした。お客さんのご要望で増やしました。

あとはデザインが所々違うかな~というくらいです。

頭の後ろの彫っている部分のいくつかのデザインは以前ノルウェーのご友人の営むレストランを訪れた際に見かけた壁に飾られていた古いモチーフたちから来ています。

それぞれに意味を持っているこれらのモチーフ。そのうち細かく意味を説明できたらと思います(^^)♪

昔のスタイルのハーディングフェーレなので、こうした昔のモチーフを楽器にあしらったらいいかなと思い今回使わせて頂きました。

その他楽器のお写真はHPのギャラリーにて是非ご覧ください♪

https://www.keisukehara.com/gallery

2020年7月25日土曜日

試み

試みはいつも成功するわけじゃない。やるためには時間も必要。でもその試みがなければ何も新しい発見はありません。
試みる前は過去の経験から、こうしてみようああしてみようとアイデアが出てくる。その中から一つを選んで行う。
今作っている楽器はその一つで、見た目はごく普通なヴァイオリン。
だけれど、今回は「フィドル」という事を意識して作っています。もちろんそれ以外にもあります。まずはサイズが7/8。
通常ヴァイオリンのフルサイズは4/4ですよね。子供の分数楽器サイズは1/32~3/4。(1/64もあるけれど、あまりみかけないかもですね。)
大人のサイズには4/4の他にそれよりも少し小さい7/8サイズというものが存在します。
とはいえ、子ども用分数楽器のサイズ程一般的に多くあるものでもないかもしれません。

むかーしむかし、イギリスの製作学校の先生から「上ナットの幅はアジア人の手であれば、通常より狭くても良いかもね」つまりそれは指板のサイズにも関わってきます。
もちろんアジア人が皆がみんなというわけではないですが、僕の印象でもイギリスやノルウェーなどいた時も思っていたけど、手が大きい人が多い…
7/8製作を考えたのはそれだけが理由ではないけれど、4/4が大きく感じる人も日本ではいらっしゃるようです。何より僕自身、そのサイズの楽器を作ってみたいと思っていたのもあり、今作っています。
今日は白木で出来たので、UVにいれました。
サイズが小さくなったため、ネックが少し狭く、弦長も若干短くなっています。そうすることにより、指を抑える間隔が若干狭くなります。小指が届きにくい、しんどい人には良いかもしれませんね。
今回の表裏板のアーチは普段よりもふくよかにしています。ハーディングフェーレと同じというわけではありませんが、ハーディングフェーレでは豊かな響きにはそうしたアーチが有効だと感じます。製作時にはその辺も意識しました。
また指板と駒のカーブも今回はフィドルを弾くうえで弾きやすさを求めてこだわっています。
次回は駒と指板のカーブの関係について書いてみようと思います♪

2020年7月22日水曜日

短い期間

楽器の製作は、弦を張ったら完成なわけですが、お客さんにお渡しする前にしばらく自身で毎日弾いて、色々調整してからお渡しします。その辺りはヴァイオリンとハーディングフェーレでは期間が微妙に異なるかなと思います。
あくまで最低でもこれくらいは欲しいなと思う期間は、ヴァイオリンで1週間くらい、ハーディングフェーレは2週間。
ハーディングフェーレは共鳴弦もある関係で、指板の厚みがヴァイオリンと異なるせいか、弦を張ると圧で指板が下がる傾向にあります。それが馴染む期間として出来れば2週間は欲しいといった感じですね。
どちらの楽器にしても弦を張りたて、出来立てとなると楽器本体が落ち着かないので、毎日弾いて微調整をしていきます。
とはいえ当然そんな1~2週間で安定するわけではないので、こちらでその期間調整したら後は奏者にたくさん弾いてもらって、メンテナンスの時に調整して...を繰り返して行くわけですね。人間が病院や整体に行くのと同じようなものです。
というわけで、新生児に先日弦を張ってここ数日毎日弾いては微調整を行っています。
こうして新作と過ごせる期間は短いので、まだお渡し日は決まっていないけれど、それまで楽しみます♪
ここ数か月ピュレグミが好きすぎて、よく食べてます。
美味しいですよね。ピカチュウ可愛いし...